かんとこうブログ
2020.04.23
再び BCG 接種とコロナウイルス感染症
4月3日に、BCG接種とコロナウイルス感染症の感染率および死亡率の間に何らかの関係があるのではないか?ということを書きました。この関係については、依然として科学的に因果関係は証明されていないとされています。が、しかし、依然として世界各国の感染状況をみると関係があるのではないかという状況が続いています。今日は続編として前回同様に各国の感染率と死亡率の数値をBCG接種状況で色分けしたグラフを示します。
データソースは、日本の報道でも引用されているジョンズホプキンス大学のサイト*です。このサイトは世界各国の新型コロナウイルス感染症の感染者数、死亡者数、PCR検査数などを、リアルタイムで集計し表示しています。データをチェックしたのは19日から20日にかけてでしたので、データがもう古くなってしまいましたが、お許しください。*https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6
グラフから見ると、感染者率も死亡率も上位の国は、BCG接種を全員に行っていない国で占められていることは疑いのない事実です。縦軸はいずれも対数軸ですので上位と下位の差は2桁、3桁も違っています。ただ、だからと言ってこれがすべてBCGのせいだと言い切れる根拠にはなりません。上位はすべてヨーロッパやアメリカであり、地理的な位置関係ひいては人的交流の濃さも十分高感染率の要因足りうるからです。ただし、他の要因が有意でなければ、BCGは感染率、死亡率を関係づける要因になりうることは間違いありません。
ただくれぐれも申し上げておきたいのは、仮にBCG接種がコロナ感染症の感染や重症化に良い影響を及ぼしているとしても、にわかにBCG接種をお医者さんにお願いしたりすることは厳に慎むべきであり、そのために乳児のBCG接種に支障がでるなどということはもってのほかであるということです。