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かんとこうブログ

2020.04.03

BCG 接種と新型コロナウイルス感染症における死亡率

 今朝のニュースで「新型コロナウイルス感染症の死亡率においては、BCG接種を実施している国は、していない国よりも明らかに低い傾向にある」ということを報じていました。iPS細胞の山中教授もこのことを指摘しているそうです。本来結核菌のワクチンであるBCGが新型コロナウイルス感染症による死亡率を低減する・・今日はこのことについて書きます。

 このBCGと新型コロナウイルス感染症との関係は、少し前からネットに表れていました。真偽のほどは定かではないという意見も多くありましたが、ここへきて統計的にはほぼ明らかになったようです。下のファイルは、OECD加盟国におけるBCG接種とこの新型コロナウイルス感染症の死亡率との関係を示しています。

人口10万人あたりの死亡者数でみると、死亡者の少ない国は色が識別できないほど小さくなってしまいますので、この図を対数表記にしたのが下の図です。おそらく説明が不要だと思います。BCGを全員に接種している国では死亡率が低いのです。最も典型的な例がスペインとポルトガルで、隣接している位置関係にありながら、死亡者が1万人を超えたスペインに対しポルトガルの死亡者は100名を超えたばかりです。人口の違いを差し引いてもこの差は有意です。

 では本来結核菌のワクチンであるBCGが、なぜコロナウイルス感染症での死亡率を低下させているのでしょうか? もちろん、まだ詳しいことはわかっていませんが、BCG接種によって他の疾患の症状が改善された例はこれまでも紹介されており、なんらかの形で免疫システムを向上させている(一説には白血球を刺激している)のではないかと推定されているようです。

 日本の場合、1951年以降は基本的に全員を対象に実施されているそうですが(時代によってはツベルクリン反応が陰性の場合のみ接種されていた)、欧米ではすでに廃止されている国が多く、それが中国、韓国や日本と欧米諸国の感染拡大と重症化~高死亡率につながっているのではないかということです。

 しかしながら、仮にBCGと死亡率の間に明確な関係があるとしても、死亡率がゼロになるわけでもなく感染が拡大してもよいわけではありません。引き続き自分の行動に責任をもち、感染しない、感染させないを心掛けたいものです。

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