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かんとこうブログ

2020.04.07

ワクチンはいつできるのか?

 

いよいよ本日政府による緊急事態宣言が出され、指定された7都府県でそれに基づく緊急事態措置が出されることになりました。この新型コロナウイルス感染症の終息には、国民の過半数が抗体をもつようになるか、ワクチンができるまでかかるのでは、という説もあります。今日はこのワクチンの使用見通しについて書きます。

 ワクチンの開発状況については下のサイトに大変簡潔にまとめられています。私の見たサイトの中では一番よくまとまっており、治療薬についても、本ブログで過去に取り上げたものはすべて書かれていましたので、詳しくはこのサイトをご覧いただきたいと思います。要約すれば、「世界中でワクチンの開発が進められており、最も早いものはすでに臨床試験段階に入っている」ということになります。

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17853/

 ではいつになったら、実際に使用できるようになるのでしょうか?ここでは、臨床試験に入ってから、認可されるまでの期間について見てみます。臨床試験に長い期間が必要な理由は、一言で言えば、「安全性については、慎重にも慎重を期して確認を行わなければならない」ということであり、過去にワクチンの開発によって、「免疫増強」と呼ばれる現象が起こったことも長期試験を必要とする一つの根拠となっています。この「免疫増強」とは、ワクチンによる過剰な免疫反応が起こり体に大きなダメージが与えられることを言います。

 臨床試験は3つの段階を踏む必要があります。フェイズ1は、数十人の健康なボランティアを被験者にして、ワクチンの安全性を評価します。それに3カ月かかります。ここで健康なボランティアに何ら薬物副作用も見られなければ、フェイズ2に進みます。そこでは数百人にワクチンを投与し、ワクチンがうまく被験者の体を刺激して、抗体をつくらせ、病気を撃退するかどうかのデータを集めます。これには6〜8カ月を要します。ここで問題がなければ、フェイズ3に進み、実際に感染症が流行した地域で数千人の人々を対象にワクチン投与を行います。この段階もスムースに進行したとしても6〜8カ月かかります。

 臨床試験が無事に終わってもすぐに使えるわけではありません。アメリカであれば、米国食品医薬品局(FDA)などの規制機関が、ワクチン承認の可否を決定するためにすべてのデータをチェックして晴れて認可となります。この審査にも数カ月から1年を要します。これら、臨床試験とデータチェックに要する期間を単純合計すれば、最速でも21か月になり、一年半以上の期間が必要であることがわかります。これまで、「ワクチンは早くて来年夏以降」と言われていたのもこうした事情によるものです。これをいかにスピードアップできるか? 今、人類の叡智が試されています。

ウイルスの臨床試験については、以下のサイトの情報を参考にしました。

https://wired.jp/membership/2020/03/25/everything-coronaviru

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