かんとこうブログ
2020.07.20
Coatings World Top Companies Report 2020 詳報 2
今日は詳報の2回目です。トップ10会社(正確には11社ですが)の動向を、このCoatings World 社がランキングを始めた1998年版(1997年度)以降の記録をすべて辿ってみることにします。
最初は、ランキング入りした会社数です。前回、ランキング入りした会社数が増えていないのは、M&Aの影響が大きいのではないかと書きました。ではそれ以前は増えていたのかと疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。答えは下の図をご覧ください。
さて話を戻してトップ3です。1997年時点でのトップ3は基本的には今と同じSherwin, PPG, Akzo-Nobelでした。ただし当時の規模は売上は現在の半分ほどしかありませんでした。この3社は現在売上が100億ドルを超えていますが、その経過は様々で、いずれも大型のM&Aを経て現在に至っています。
世界で一番最初に100億ドル企業となったのはAkzo-Nobelでした。この会社自身はAkzoとCasco Nobelが合併したものですが、そのCasco NobelもM&Aを繰り返して大きくなった会社です。それがCoutarulds (International)とかつて世界一だったICIを吸収し世界初の100億ドル企業となったのでした。Akzo Nobelはこの10年ほど、目立ったM&Aを行わず、売り上げも伸ばせていませんが、資金的には最も余裕があり、次に大きなM&Aをしかけるのではと言われて久しくなります。
次の第2集団を見てみましょう。第2集団もこの顔ぶれでずっと競争を続けてきました。
次にこれら11社について、この20年間、10年間、5年間についてCAGRを計算してみました。グラフから読み取れることをもう少し定量的に見れるメリットがあります。
ただ少し気になるのは、M&Aを除くと最近5年間のCAGRにかつての勢いがありません。新興国の需要に引っ張られて世界的には需要は拡大傾向にあるものと思いますが、これらトップ企業は、主として先進国が本拠地の企業であり、新興国の旺盛な需要を十分に取り込めていないのかもしれません。
このシリーズまだ続きます。