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かんとこうブログ

2020.08.26

8 月末は海水温度が最も高い季節

今日は海水温をとりあげます。理由は8月末が一年中で最も海水温が高い時期であるからです。また、気になることが海水温の上昇であり、台風の襲来時にいつも指摘される海水温の上昇による影響についても、実際どの程度なのか見てみたいと思ったからです。気象庁のデータベースには海水温のデータもあり、日本近海の月平均、旬平均の海水温図が収録されていましたので、それを使って、過去30年ほどの推移を見てみたいと思います。

下の図は、データの収録のある1982年以降5年毎の8月の月平均海水温の推移です。注目してもらいたいのは、数字の27という表示で、これは海水の表面温度が27℃である地点を結んでいる等温線です。27℃の等温線がどんどん北へ追いやられて、ピンク色~白色の28℃以上の海域が日本近海に押し寄せていることがわかると思います。

8月の平均表面海水温度

夏が暑くなったのは、地上の気温だけでなく、海水の表面もかなり温度が上がっているのです。従来海は、陸地に対して気温変動の緩衝材的役割と果たしてきたと考えられますが、夏の海がこのように温度が高くなってしまうと陸地の温度上昇を抑制する効果も低下するのではないかと懸念されます。

次に、9月の月平均海水表面温度を見ることにします。8月と同様に、1982年から5年毎の日本付近における海水表面温度の様子です。

9月の平均表面海水温度

9月の平均表面海水温度の上昇は、8月よりもさらに顕著であるように見えます。2017年、2019年では、海水温度が27℃以上の水域が日本のすぐ近くまで来ています。この意味は重大です。

台風の発生過程で、重要な要因に海水の表面温度があります。表面温度が高いほど多量の水蒸気の供給をうけて台風が発達します。その分岐点が26.5℃であり、海水温度が27℃以上であれば発達し,26℃以下であれば勢力が衰えると言われています。正確には表面温度だけでなく、海水内部の温度まで含めた海水貯熱量というものによって支配されるようですが、海水表面の温度が高いことにより、襲来する台風の危険性が増大することには違いありません。

こうした状況に対して、私たちができることは何でしょうか?やはり二酸化炭素排出量を減らすことであり、そのためにも省エネルギーに努めることではないでしょうか?連日の猛暑報道においても、二酸化炭素削減の話はあまりでてこないようですが、日本の場合発電に占める火力の割合は非常に高く、省エネルギーは二酸化炭素削減に直接つながります。塗料でできる省エネルギーへの貢献が増えていくことを期待します。

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