かんとこうブログ
2020.08.24
日本ペイントホールディングスの「アジア合弁事業の 100%化並びにインドネシア事業の買 収」について
金曜日に大きなニュースが飛び込んできました。日本ペイントホールディングスの「アジア合弁事業の100%化並びにインドネシア事業の買収」です。新聞等の見出しは、若干ニュアンスが異なり、朝日新聞DIGITALは「日本ペイント、ついに「主客逆転」アジア企業の傘下に」、日本経済新聞は「日本ペイントHD,ウットラムが買収 1.3兆円」産経新聞は「日本ペイントHDを買収へ ウットラム、1兆円強」というような具合で、外資による日本の素材メーカーの買収と捉えているようですが、実際は、日本ペイントホールディングス社のホームページに書いてあるように「アジア合弁事業の100%化並びにインドネシア事業の買収」というのが最も正しいと考えています。
この事案の解説は私の手に余るもので、とてもこのようなブログの中で取り扱える範囲を超えていますので言及しませんが、私なりの理解は、これで本当に世界のトップメーカーとなる、あるいはトップ3に食い込む体制ができあがったと認識しています。これまでアジアの合弁事業のほとんどは、持ち株比率が日本ペイントホールディングス:ウットラム=51:49であり、連結対象ではあっても、最終的に純利益が51%しか親会社帰属しないという側面がありました。今回の100%化により純利益も全額親会社に帰属することにより、純利益額が6割アップし、EPS(一株あたり純利益)も、大幅に増資するにも拘わらず10%以上アップするとのことでした。これによりM&Aや新規設備などの投資もより積極的かつ効率的に行うことができると説明されていました。このあたりの話は、基本的に同社の説明資料に詳しく書かれていますので、そちらをご参照ください。
私が注目したのは実は発行株式の時価総額でしたので、今日はこのことを書きます。今回の変更により、発行株式数が1億4870万株増え、これまでの3億2080万株から4億6950万株となります。8月20日の株価終値は7970円でしたので、これまでの発行株数での時価総額は2兆5568億円となります。この株価がそのまま来年1月1日の新体制での増加した発行株数でも維持されていたとしたら、その総額は3兆7419億円となります。(下表)