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かんとこうブログ

2020.08.18

4-6 月期 GDP 速報の内容

昨日内閣府から、本年4-6月のGDPの速報が発表されました。年率換算で-27.8%というリーマンショックを上回る統計市場最悪の数値という内容でした。同時期のEUやアメリカに比べればマイナスの数字は小さかったものの、これは、EUやアメリカがかなり厳しく行動制限をしたのに対し、日本は比較的緩やかであったためと考えられます。

この速報には過去データもついていましたので、リーマンショックと対比して各項目を見ようと思ってはみましたが、付属データが2009年以降でリーマンが起こった2008年のデータがないのと、何より暑さで気力が不十分なため、結局内閣府のデータを抜粋してお知らせするにとどめることにしました。

以下、内容はすべて内閣府の報告書及びポイント解説からの説明と図の羅列です。

[1]GDP成長率(季節調整済前期比)(下左図)

2020 年4 ~ 6月期の実質GD P( 国内総生産・2011暦年連鎖価格) の成長率は、と 3 四半期連続のマイナス成長▲7.8%(年率▲27.8%)となった。

[2]GDPの内外需別の寄与度 (下右図)

実質GDP成長率(季節調整済前期比)に対する内外需別の寄与度を見ると、国内需要(内需)は▲4.8%と 3 四半期連続のマイナス寄与となった。財貨・
サービスの純輸出(外需)は▲3.0%と 2 四半期連続のマイナス寄与となった。

[3]需要項目別の動向(季節調整済前期比)

(1)民間需要の動向

民間最終消費支出(下左図)は、実質▲8.2%(1~3月期は▲0.8%)と 3 四半期連続の減少となった。パソコン、エアコン等が増加に寄与した一方、外食、旅客輸送、娯楽サービス、宿泊等が減少に寄与したとみられる。、そのうち、家計最終消費支出(下中図)は、実質▲8.6%(1~3月期は▲0.8%)、家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃・・下右図)は、実質▲10.4%(1~3月期は▲1.1%)となった。

民間住宅(下右図)は、実質▲0.2%(1~3月期は▲4.2%)、民間企業設備(下中図)は、実質▲1.5%(1~3月期は1.7%)であり、供給側推計の基礎となる総固定資本形成の動きを見ると、自動車等への支出が減少に寄与したとみられる。民間在庫変動の成長率に対する寄与度(下右図)は、実質▲0.0%(1~3月期の寄与度は▲0.1%)となった。実質の在庫残高の増加幅が 2020 年 1-3 月期から縮小(2020 年 1-3 月期 0.4 兆円、2020年 4-6 月期 0.1 兆円)し、2020 年 1-3 月期と比べた増加幅の縮小分(0.3 兆円)がGDP成長率に対して寄与した

(2)公的需要の動向

政府最終消費支出(下左図)は、実質▲0.3%(1~3月期は0.0%)、公的固定資本形成(下中図)は、実質1.2%(1~3月期は▲0.5%)、公的在庫変動の成長率への寄与度(下右図)は、実質▲0.0%(1~3月期の寄与度は0.0%)となった。

(3)輸出入の動向

財貨・サービスの輸出(下左図)は、実質▲18.5%(1~3月期は▲5.4%)と 2 四半期連続の減少となった。財貨については自動車等、サービスについては旅行(訪日外国人の国内消費)等が減少に寄与したとみられる。

、財貨・サービスの輸入(下右図)は、実質▲0.5%(1~3月期は▲4.2%)と3四半期連続の減少となった。財貨については自動車等、サービスについては旅行(日本人旅行者の国外消費)等が減少に寄与したとみられる。

4]デフレーターの動向

(1)四半期デフレーター季節調整系列(下左図)(注)(前期比変化率) (注)四半期デフレーター季節調整系列=(名目季節調整系列 / 実質季節調整系列)×100

GDPデフレーターは、0.5%(1~3月期は0.1%)となった。国内需要デフレーターは、▲0.8%(1~3月期は0.1%)となった。財貨・サービスの輸出デフレーターは▲3.6%(1~3月期は▲0.1%)、財貨・サービス の輸入デフレーターは▲9.8%(1~3月期は▲0.2%)となった。

(2)四半期デフレーター原系列(下右図)(前年同期比変化率)

GDPデフレーターは、1.5%(1~3月期は0.9%)となった。国内需要デフレーターは、0.0%(1~3月期は0.7%)となった。財貨・サービスの輸出デフレーターは▲4.9%(1~3月期は▲2.3%)、財貨・サービスの輸入デフレーターは▲12.1%(1~3月期は▲3.2%)となった。

[5]2019年度のGDP

2019年度の実質GDP成長率(下左図)は0.0%、2019年度のデフレーター(下上図)については、GDPデフレーターが0.8%、国内需要デフレーターが0.5%となった。GDP成長率の内外需別寄与度(下右図)をみると、実質の内需が0.2%、外需が▲0.2%となった。

以上が報告書とポイント解説の概要です。正直なことを言うと、こうしたグラフを見ても、どのような産業がどの程度ダメージを受けた結果こうした数字になったのかはわかりません。内訳として個人消費が約6割とも言われている中で、どのような支出項目が減っているのかも見えてきません。またアメリカもEUも4-6月のGDPは7月末には発表されています。GDPの集計は大変な作業であることは想像がつきますが、各省庁で取っている統計をもっと有機的に連動させることはできないものかと思ってしまいました。

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