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かんとこうブログ

2020.08.12

暑さ指数の地域特性 その 1

昨日は群馬県、埼玉県で最高気温40℃を超える地点がでました。まさに暑さ本番であり、今年から始まった熱中症警戒アラートも出されました。このアラートは、暑さ指数が33℃以上になると予測された場合に出されるものですが、今日はこの暑さ指数とその地域特性について書きます。

そもそもこの暑さ指数とはいったい何なのでしょうか?暑さ指数は、もともとWBGTと呼ばれていましたが、わかりにくいので暑さ指数と呼ばれるようになりました。気象庁のホームページから引用してご紹介します。

暑さ指数(WBGT)湿球黒球温度とは

暑さ指数(WBGT)は、Wet-Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)の略称で、下記の装置で計測される3種類の測定値(黒球温度、湿球温度及び乾球温度)をもとに算出されます。

黒球温度(GT:Globe Temperature)は、黒色に塗装された薄い銅板の球(中は空洞、直径約15cm)の中心に温度計を入れて観測します。黒球の表面はほとんど反射しない塗料が塗られています。この黒球温度は、直射日光にさらされた状態での球の中の平衡温度を観測しており、弱風時に日なたにおける体感温度と良い相関があります。

湿球温度(NWB:Natural Wet Bulb temperature)は、水で湿らせたガーゼを温度計の球部に巻いて観測します。温度計の表面にある水分が蒸発した時の冷却熱と平衡した時の温度で、空気が乾いたときほど、気温(乾球温度)との差が大きくなり、皮膚の汗が蒸発する時に感じる涼しさ度合いを表すものです。

乾球温度(NDB:Natural Dry Bulb temperature)は、通常の温度計を用いて、そのまま気温を観測します。暑さ指数はこれら3種類の温度データから以下の式により計算されます。

通常天気予報に出てくる気温は、乾球温度に該当します。このWBGTの計算式では、乾球温度はわずか10%しか組み入れられません。残りの90%の大半は湿球温度と呼ばれるもので、昔、理科の時間で湿度を測った時に使った湿らせたガーゼで覆われた温度計の示す温度と言えば思い出される方も多いでしょう。この他に黒球温度と呼ばれる耳慣れない温度が出てきますが、説明は上の通りで外側から与えられる光や熱によって温められる球体の内部の温度のことであり、風の弱い時の日なたにおける体感温度とよい相簡にあると言われています。

つまり暑さ指数とは、普通の気温に、湿度の影響(蒸暑さ感)に、日射や熱い空気の影響(日射や伝熱の体感)の要素を取り入れたものであることがわかります。屋外と屋内では計算方法が異なっていますが、これもそれぞれの環境の特性からより体感温度に近くなるよう設定されているのです。

ただし、上の計算式のところに但し書きで書いてあるように、実際に3つの値を測定しているのは、840地点のうちの11地点だけで、大半の測定箇所では、気温、相対湿度、全天日射量、平均風速を用いて暑さ指数(WBGT)を算出しています。

左下の写真は、WBGTの測定に使用する測定器具と測定の様子です。乾球、湿球、黒球の3つの装置で測定します。右下の図は暑さ指数と熱中症患者の発生率の関係を表していますが、WBGTが28℃を超えると熱中症患者の発生が急増することが理解されると思います。

WBGTの説明を書いていたら、ずいぶんと紙面を使ってしまいました。この続きは明日書くことにします。明日は、東京都の観測地点11か所に関して、8月に入ってから暑さ指数がどのように推移したのか、そして各地点の暑さ指数にどのような特徴があるのか、調べたことを書きます。

本日の説明は気象庁の以下のサイトから引用させてもらいました。

https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

https://www.wbgt.env.go.jp/doc_observation.php

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