かんとこうブログ
2020.11.06
全国の塗料製造業の事業所数は 374 か所!
3日以来アメリカ大統領選挙の様子が気になっておりますが、今日はそれとは全く関係のない話を書きます。以前から日本には塗料製造会社がいくつあるのか調べたいと思っていました。その昔、会社に入社した時に、「とにかく塗料会社の数は多い。700社あるとも言われている。」と当時の人事課長が言っていたことを覚えています。ただ、何社あるのか実際に調べようとしてもなかなか難しくずっとそのままにしてきたのですが、ふとしたことから、実に細かい統計データが存在していることがわかりました。そのデータとは経済産業省の「工業統計表 地域別統計表データ」という調査表であり、2018年度分が 令和2(2020)年8月25日に掲載されています。以下のサイトからダウンロードできます。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/result-2/r01/kakuho/chiiki/index.html
この地域別統計表データというのは、東京都などの政令指定都市と都道府県別に産業別の事業所数や従業員数、支給されて給与、出荷金額などが調べられているものですが、通常はせいぜい化学工業とひとまとめにされている塗料製造業という細目分類についても都道府県別の数値が掲載されているのです。それにとどまらず市町村別のデータまでも掲載されているというすごいデータです。早速データをご紹介しましょう。
大事なことは、日本には、33都道府県に374の塗料製造事業所があるということ、そして最多事業所都道府県は埼玉、ついで大阪、兵庫、愛知の順であるということです。大阪に比べて東京が意外に少ないように思いますが、東京は都市化が過度に進み、塗料製造業が操業できる場所が少なくなってきているためと思われます。事実、関塗工の組合員では東京から埼玉へ生産を移転した会社も少なくありません。
従業員数については、少し様相が違ってきます。愛知がトップで埼玉、大阪、」兵庫の順になります。これは愛知は比較的大規模な事業所が多いということになります。愛知の1事業所あたりの従業員数は79人ですが大阪は46人、埼玉も47人です。次に出荷金額を見てみましょう。
出荷金額については、大阪や埼玉ではなく、兵庫と愛知がほぼ同じ金額でトップの位置を占めています。このことは、兵庫や愛知は、埼玉や大阪に比べて、一事業所あたり、一人あたりの出荷金額が大きいことを示しています。その様子を下図に示します。
事業所あたり、従業員あたりの出荷金額は、事業所の規模、生産品目や生産スケール、生産方式、設備など多くの要因が関係しますので、一概に言えませんが、愛知や兵庫の方が埼玉や大阪よりも効率の良い事業所が多いと言えるかもしれません。
今回ご紹介したデータは、まだ中身をよく吟味する必要がありますので、もう少し検討してみます。最初にあげた「日本における塗料会社の数は?」という質問に答えられるまでのデータではありませんでした。一方で、日本塗料商業組合の発行している「塗料商品名集」に掲載されている塗料製造会社は148社ありました。この数字と今回のデータを考えると、おおよその数字としては日本の塗料製造業は、最大でも200社前後というあたりが妥当なところではないかと思います。