かんとこうブログ
2021.01.14
ノーベル賞受賞者のコロナ対策への提言
本日テレビ朝日の「モーニングショー」で本庶佑氏、大隅良典氏がリモート出演し山中伸弥氏など他の二人もあわせ、ノーベル賞受賞者5人による提言を行ったことが紹介されていました。今日はこの内容をご紹介します。
提言1 医療に対する支援 専用病院化と専用病院の増設
一つの病院の中で、コロナと他の疾患を同時に治療することは効率的ではなく、医療が逼迫する要因にもなっている。コロナを扱う病院は専用病院化するとともに、現在使用されていない建物や施設を利用して、新たに専用病院の増設を実施すべき。また医療従事者の不足に対し、増員の具体策を検討すべき。医療に対し、感謝言葉やお金だけではなく、具体的な支援者を講じるべき。
写真:産経新聞のサイトより引用
現在の日本の人口1000人あたりの検査数は、イギリスの8.1,フランス4.4,アメリカ3.9に対し0.5と一桁少ない数である。感染拡大の要諦は、検査と隔離であり、1000億円ほどの予算があれば検査能力を一挙に250万人/日に拡充することができる。Go Toキャンペーンに費やす予算のわずかな部分で検査能力の一挙拡充が可能か状況下にあるので、感染したかもしれないと思ったらすぐに検査が受けられるだけの大幅な検査拡充と無症候者の徹底隔離を早急に実施すべき。
提言3 ワクチン・治療薬の慎重かつ迅速な認可
日本ではまだ感染者が海外ほど多くなく、正式な治験にはかなりの時間がかかる。信頼できる海外のデータもエビデンスとして採用し日本での承認の迅速化をはかるための、国際的な協力体制を構築すべき。
提言4 ワクチン・治療薬の研究開発体制 産学連携
昨年来、コロナウイルスに関して非常に多くの文献が発表されているが、日本の発信力が弱い状況にある。産学連携を含め、基礎研究への投資を行い国際的に対抗できる製薬会社の育成を行うべき。
提言5 科学者の意見を政策に反映できる体制の構築
国の科学技術体制に勧告できる諮問機関を設立し、長期的に科学者の意見を政策に反映させる体制を構築すべき。現在の分科会は意見の擦り合わせの場となっている。総理に対するアドバイザー的なポジションを設けて、科学者の意見を一本化すべき、英米ともにそうした体制がある。
番組をみながらとったメモに基に書いてみました。皆さんはどのように感じられたでしょうか? 提言1をはじめもっともな提言だと思いますが、この提言の実現には、法律の問題がいろいろと絡んでくるのであろうと思います。だからこそ、これまで何もしてこなかった国会議員の皆さんには、こうした提言を真摯に受け止め、実現にむけて頑張ってもらいたいと思います。この非常事態を乗り切るために、少なくとも特措法の改正は不可避であり、国会議員の仕事であり、なによりも責任でもあります。