かんとこうブログ
2021.01.21
景気ウオッチャー調査12月の結果・・回答者はかなり敏感に反応
先日12月の「消費動向調査」結果をご紹介しましたが、今日は同じ内閣府が行っている消費動向調査であるところの「景気ウオッチャー」調査の結果をご紹介します。以前にもご紹介していますが、「消費動向調査」が一般の消費者の立場からどう感じているかを調査しているのに対し、「景気ウオッチャー調査」では、小売店や飲食、観光などのサービス業、企業関係者(製造業/非製造業)、雇用関係者など、消費者に物やサービスを提供する側の人たちの感じ方を調べているものです。この「景気ウオッチャー」の調査対象者の内訳は下図のようになっており、小売り業が4割、飲食・サービスが2.5割、企業が2割、雇用関係が1割と、景気をより敏感に感じることのできる人を多めに調査しているというところでしょうか? 調査結果(全体版) (cao.go.jp)
この「景気ウオッチャー調査」の10月結果は、全体で50を越えました。特に飲食が60を超え、「景気がもどった」と報道されました。このDIと呼ばれる数値は、回答のうち「良い」には1.0を、「やや良い」には0.75を、「どちらでもない」には0.5を、「やや悪い」には0.25を、「悪い」には0をかけて、平均してそれに100をかけるということで、わかりやすく言えば、全員が「良い」と答えれば100、「悪い」と答えれば0ということですので、50はちょうど全員が「どちらでもない」と答えた場合に相当しますので、10月は、「まあ普通の状態」と感じる人が多いほどに回復したということでした。
それでは、12月はどのような結果だったのでしょうか?12月は11月に比べて約10ポイント低下し、総合では35.5となりました。特に落ち込みが大きかったのが飲食業とサービス関連で11月からは約20ポイント、企業の非製造業や雇用関連も11月からは約10ポイント落ち込みました。
2002年からの経過の図をみても、10月以降の落ち込みの勾配はかなり急激で落差が大きいものであることがわかります。
一方で、先行き判断DIについては、少し傾向が違いました。先行きDIとは「今から2-3ヶ月先はどうですか?」との質問ですが、この数値については11月とあまり変わらない結果でした。これは予想というよりも期待・希望、それもかなり強い気持ちが込められたものが背景にあるように感じます。12月から2-3ヶ月で飲食店の営業がかなり戻ってこれる状態になるのを想像するのは難しい気がしますが、当事者はそう願わずにはいられないのではないでしょうか?
先日ご紹介した1「消費動向調査」の12月の消費者態度指数の数値は、11月に比べて1.9ポイント下落の結果でした。調査時期はほぼ同じですので、「景気ウオッチャー」との違いは。立場の違いによるところが大きいと思われます。コロナに翻弄されてきた飲食業やサービス業の人たちは、だからこそこうした厳しい状況でも先行きに期待をせざるを得ないのかもしれません。