かんとこうブログ
2021.01.28
前年同期並みに追いつきつつありますが・・日塗工業況観測アンケート12月分
本日、日塗工より業況観測アンケート 12 月の結果を受領いたしました。組合員の皆さんにはすでに結果を FAX にて連絡しております。
12月の業況 金額 98.7% 数量98.1% (いずれも前年同月比)
12月分の調査結果ですが、全体では11月に比べ前年同月比(金額)で0.2ポイント低下しました。前年12月は消費税引き上げにより全体に需要低迷が続き、全体の前年同月比が95.7でありましたので、平時との比較ではそれを考慮する必要があります。1月の予想は「金額、数量とも微減の見通し」となりました。
分野別では、11月から見て前年同月比(金額)で、建築が2.2ポイント、自動車が3.6ポイント、船舶・構造物が7.1ポイントアップしましたが、電機・機械・金属が0.5ポイント、木工が2.2ポイントダウンし、先月とは逆の結果になり、全体としては0.2ポイントのダウンでした。
ご参考までに、リーマンショック時と今回のコロナ禍の各需要分野の業況の推移対比のグラフを示します。起点をリーマン時は 2008 年 9 月、コロナ禍は 2020 年 1 月にとり、前後の業況をグラフ化しております。
この図から読み取ると、全般的にほぼ前年同期比の水準に追いついており、リーマンショック時と比較すると、前年同期比に追いつくまでの期間が短いと言えます。ただし、気になる点が二つあります。一つは、言うまでもなくコロナの感染動向です。現在は第2次緊急事態宣言下であり、一応の期限である2月7日で解除される可能性は低く、長期化することで経済的におおきなダメージを受ける可能性があります。
二つ目は、消費増税により一昨年10月以降の消費低迷があったことにより、前年同期比の値が高く出すぎている可能性があることです。これはすぐに検証できるので、2020年1-12月について、前年比と前々年比を比較検討してみました。
全体的にいえば、前年比と前々年比は、比較的よく一致していますが、10-12月でみると、建築外装、自動車、機械電機金属分野では、少し乖離が見られ前年比の方が前前年比よりも数ポイント程度高く出る傾向が見られます。決して無視できる数字ではありません。この前年同期比が過大な数値になる傾向は今後も続くと思われますので、時々チェックするようにします。
いずれにしても、爆発的感染の収束がなによりも優先されるべき課題であることは明白です。少し過大評価気味とはいえ、なんとか前年並みに回復してきた需要を再び低迷させないよう感染抑制傾向が継続することを祈ります。