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かんとこうブログ

2021.03.09

東京都感染者数と繁華街の人出について

本日から緊急気体宣言が2週間延長されました。現在宣言の対象となっているのは、東京とその周辺の3県のみとなりました。昨年の第1次から一貫して、東京都の感染者数は、絶対数も人口当たりも全国のトップである状態が続いています。

これについて分科会の尾身会長は、東京の特異性として、人口集中、繁華街の存在、匿名性を挙げていたように思います。アグープのデータに全国の夜の繁華街の人出という集計があり、昨年1月から直近のデータまで毎日の数が棒グラフで示されています。東京の繁華街の夜の人出ははたして、全国の他の都市よりも多いのでしょうか?また感染が拡大していても人出が減らないのでしょうか?全国16カ所のデータで検証してみたいと思います。

https://corporate-web.agoop.net/pdf/covid-19/agoop_analysis_downtown_night.pdf
この図はアグープのデータをそのままスクリーンショットで切り取り編集したものです。青線が平日、オレンジ線が休日の人出です。わかりやすいように、4本の補助線を入れました。紺色が昨年1-3月の平均、紫色が昨年の6-8月、水色が昨年の9-12月、赤色が今年の13月です。赤字の数字は、昨年13月時点の夜8時台のおおよその平均値で、60K60*1000人、すなわち6万人を表します。

それでは東京の6カ所からどうぞ。

ざっくり言って昨年の13月に比べれば、他の期間はおおよそ半減と言ってよいのではないかと思います。次に全国の人出を見てみたいと思います。

これらまとめて一括でコメントするのは無理があるかもしれませんが、少なくとも「先ほどの東京都と比べて減り方が少ないところが多い」気がします。例えば瓦町(高松)、大阪ミナミ、三宮駅、栄などは減り方が少ないと思います。

もう一つ気になったのは人出の絶対数です。東京の6カ所の合計は405Kすなわち405千人でした。これに対して大阪の2カ所の合計は600Kすなわち60万人です。大阪の方が繁華街の人出が多いのか?そんなことはないはずで、これは大阪のキタもミナミもターミナル駅も含んだ人出を集計しているのに対し、東京は歌舞伎町、センター街というように、ピンポイントで区分けしているケースが多いためではないかと思います。

いすれにせよ、この検証では、東京の繁華街の夜の人出の絶対数は他の都市に比べて多いとは言えず、感染拡大前と比べてもかなり減少しており、繁華街の夜の人出が「感染者が減らない」原因と立証することはできないということになります。

再延長されても政府の対策は飲食店をピンポイントで規制する以外に、特に目新しい施策はありません。政府には、17日以降に感染者が減った理由が、全体に外出する人が減ったためなのか、飲食店の時短営業が奏功しているのか検証を行い、その結果を国民に説明してもらいたいと思います。

367日の13県の人出も調べました。個々の結果は省略しますが、天気が悪かったので、人出はそれほど増えませんでしたが、やはり全体では増加傾向にあります。東京都と3県の人出の数値(昨年の13月の休日の平均値)、東京都の実効再生産数、人出と実効再生産数の相関係数のグラフを下に示します。

https://corporate-web.agoop.net/pdf/covid-19/agoop_analysis_coronavirus.pdf

傾向は先週と同じです。東京都よりも周辺の人出が多い。日曜よりも土曜の方が人出が多い実行再生産数はジワジワと増加中だが、まだ1.0にはなっていない東京都に関して、人出と実効再生産数の相関は低く、直接の因果関係があるとの結論にはならない ということです。

先日の在原業平の歌をお借りして・・「世の中に絶えてコロナのなかりせば 春の心はのどけからまし」

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