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かんとこうブログ

2021.03.17

法人企業景気予測調査・・令和2年度の業種別売上前年比予測

内閣府と財務省が行っている法人企業景気予測調査の20211-3月分の結果が312日に発表されました。全国の企業92万社を対象に、8割近くの回収率を誇る調査で3か月ごとに発表されます。今回の調査は215日時点で1-3月の実績と4月以降の予測を調査したものです。今回は年度末にあたるため、令和2年度と令和3年度の収益予想も掲載されていました。詳しくは下のURLからご覧ください。

https://www.mof.go.jp/pri/reference/bos/results/1c202004.pdf
最初に全体像をみましょう。

この1-3月期の景況(BSI値:「上昇」から「下降」を引いた指数)は、10-12月の調査から一挙に悪化し、大企業でマイナス21.8,中小企業に至ってはマイナス52.7と昨年の前半を思わせる落ち込みでした。

また令和2年度の売上と利益の予想については

業でみると売上高でマイナス7.1、経常利益マイナス29.3という数字でした。製造業と非製造業を比較すると非製造業の方がややマイナスが小さいようです。

この統計では、業種別の景況感が示されています。塗料に関係のありそうな業種を選んでグラフにしてみました。自社の景況感はどうですかという質問に対する回答結果です。いずれも中小企業の回答集計のみのグラフです。

時期は、左から順に昨年の1012月の実績と今年の13月、46月、79月の予想値です。1-3月で落ち込みが目立つのは、宿泊・飲食サービス業がトップで、運送・郵便業、窯業・土石、娯楽などが続きます。昨年の4-6月に比べれば宿泊や飲食サービスを除けば、景況感はまだましなようです。そして4月以降はいずれの業種も回復を見込んでいます。ワクチンへの期待もあり感染収束への希望が反映されています。

冒頭で令和2年度の売上高の前年比の数値を出しましたが、この業種別数値も出ていますのでご紹介します。

最も前年比の低い業種は娯楽業で、次いで宿泊・飲食サービス、窯業・土石となっています。かなりの数の企業が回答していますので、この数値はその業界の平均像としてとらえてよいのではないかと思います。

さらに、令和3年度の売上についても業種別で前年比の予測が出ています。

こちらは、建設業を除きすべてプラス予測です。令和2年度が全般にマイナスであったため、平年並みと予測してもプラスになるので当然かもしれません。数値としては先ほどと逆で、娯楽業、宿泊・飲食サービス、窯業・土石の順に大きなプラスの数字が並んでいます。平年並みへ戻ることの期待とも受け取れます。

最後に、企業規模による景況感の違いを再びご紹介して終わります。説明は不要かと思います。なぜにこれほど景況感が違うのか、と改めて考えさせられます。

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