かんとこうブログ
2021.05.06
ファイザー社ワクチンの効果持続性について
日本でもなんとか高齢者むけのワクチン接種が始まりましたが、変異種の出現もあり、ワクチンの効果について気にされている方も多いのではないかと思われます。ネットでファイザー社のワクチンの有効性について探すと、米国ファイザー社のサイトに4月1日に同社が発表した2回目接種から6ケ月経過した時点での効果についての報道発表が載っていましたので今日はそれを紹介します。
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-confirm-high-efficacy-and-no-serious
ワクチンの効果確認試験の参加者は、全世界で46,307名であり、ワクチン接種者とプラセボ(偽薬)接種者の内訳は数値の発表がありませんでしたが、感染者数と有効性の数値から計算するとワクチン接種者が23,621名、プラセボ接種者が22,686名であったようです。接種2回目から半年経過時点までの期間に感染した人は927名で、ワクチン接種者が77名に対し、プラセボ接種者は850名でした。この結果から、ワクチンの感染防止効果は91.3%と計算されます。
一方、重症化した人については、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)基準の重症者が32名いましたが、いずれもプラセボ接種であり、重症化阻止率は100%と計算されました。もうひとつFDA(アメリカ食品薬品品局)の基準の重症者については21名であり、ワクチン接種者が1名、プラセボ接種者が20名で、重症化阻止率は95.3%と計算されました。
国別では、アメリカにおける感染者数は697名で、ワクチン接種者50名、プラセボ接種者が647名でした。ここから県線防止率は92.6%と計算されました。(アメリカにおける試験参加者数は明らかにされていません)
一方変異種が出現している南アフリカ共和国では、試験参加者800名のうち、感染者は9名ですべてプラセボ接種者でした。感染防止効果は100%と計算されます。この9名のうちいわゆる南アフリカ種は6名であり、南アフリカ型変異種に対しても有効であるとしています。
以上が4月1日米国ファイザー社が発表した内容ですが、日本の報道ではここまで詳しくは紹介されていません。この内容からみると少なくとも半年は効果が持続しそうだと判断してよいと思いますが、一方では、半年以降について別な発表がされています。
https://forbesjapan.com/articles/detail/41025
これによれば、ファイザーCEOの見解として
①ワクチン接種によって得られた抗体は少なくとも6カ月間は存在しているものの、2回目の接種から12カ月が経過するまでに、一定程度が失われると推測される。
②英国型(B.1.1.7)と南アフリカ型(B.1.351)の変異株に有効であることが確認されているが、(さらにワクチンの効果を確実なものにするため)、変異株のスパイクタンパク質に対応できる抗体の形成を促すワクチンの開発を進めている。
以上から、「2回目」接種から12カ月以内に(変異種対応)の「3回目」の接種が推奨するようになる可能性が高いとしています。つまり、コロナのワクチンは、未来永劫に効果が持続するのではなく、インフルエンザのように少なくとも毎年は新しい変異種に対応したワクチンを接種し続ける必要があるとの見方を示したということです。
こうした議論はあくまで、ちゃんとワクチン接種が終わったあとの話です。日本の場合にはなんとか政府が目標としている高齢者への接種7月末完了を完遂することが最重要課題となります。