かんとこうブログ
2021.05.26
今日はスーパームーンの皆既月食
ニュースの気象コーナーで報じられているように今日はスーパームーンの皆既月食です。スーパームーンとは満月のうちで最も大きいものをこう呼んでいます。今日は国立天文台のサイトからの引用でこの現象をご紹介します。このように月の大きさが違ってみえるのは月の公転軌道が円ではなく楕円であるために起きる現象で、満月のタイミングで地球との距離が最も近くなる時がスーパームーンとなり、大きさのイメージは次の図のようになります。
ニュースの気象コーナーで報じられているように今日はスーパームーンの皆既月食です。スーパームーンとは満月のうちで最も大きいものをこう呼んでいます。今日は国立天文台のサイトからの引用でこの現象をご紹介します。このように月の大きさが違ってみえるのは月の公転軌道が円ではなく楕円であるために起きる現象で、満月のタイミングで地球との距離が最も近くなる時がスーパームーンとなり、大きさのイメージは次の図のようになります。
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2021/05-topics03.html
最も近い満月である今日は、月と地球の距離が約35万キロであり、逆に最も遠い満月の時には約40万キロです。見かけの直径はこの距離に比例しますので、おおよそ8:7になっています。比率で言えば一番小さく見える時に比べて14%大きく見えるということになります。
一方皆既月食は月が地球の影に入ってしまう現象でこれが起きるタイミングが必ず満月になります。この現象もなかなか興味深くで、いろいろな角度から解説がしてありますが、やはり職業柄もっとも興味のある色についてお話をすることにします。
皆既月食は皆既日食とは異なり月が真っ黒になったりはしません。月が赤黒く変色していくのが皆既月食なのです。この理由について国立天文台のサイトでは詳しく解説していますので、図とともにまるごと引用させてもらいます。
「地球の本影は、地球が太陽光をさえぎることでできます。しかしこの本影は、真っ暗になりません。これは、地球に大気が存在するからです。地球の大気を太陽光が通過するときには、大気がまるでレンズのような役割をして、太陽光が屈折するのです。屈折した太陽光は、影の内側に入り込むようにその経路が曲げられてしまいます。また、太陽光が地球の大気を通過するときには、波長の短い青い光は、空気の分子によって散乱してしまい、大気をほとんど通過することができません。昼間空が青いのは、この散乱してしまった青い光を見ているからです。
一方で波長の長い赤い光は散乱の影響を受けにくいため、散乱で光が弱められながらも、大気を通過することができます。朝日や夕日が赤く見えるのも同じ理由で、太陽光が地平線方向から入り大気の中を長く通過しているために、散乱されにくい赤い光のほうがより届きやすいからです。
このように、大気によって散乱されにくい赤い光だけが、弱められながらも大気を通過します。そしてこのとき、大気によって屈折して経路が曲げられて、本影の中に弱い赤い光が届きます。この光が皆既月食のときの月面を照らすため、赤黒く見えるのです。」
ああ、そうかと思い出していただけたとすれば幸いです。昨年ご紹介した「うみの青、そらの青」で書いた空が青くて夕焼けが赤い理由と同じ現象なのです。だから地球の影に入っても真っ黒くならずに赤黒い色に染まって見えるのです。でもこんなことも解説されていました。
「しかし、皆既月食のときの月がいつも同じように赤黒く見えるわけではありません。地球の大気中のチリが少ないときには、大気を通り抜けられる光の量が多くなるため、オレンジ色のような明るい色の月が見られます。 一方で、大気中にチリが多いと、大気を通り抜けられる光の量が少なくなるため、影は暗くなり、灰色に見えたり、あるいは本当に真っ暗で月が見えなくなったりします。」
空気中のチリの量が少ないと色が明るくなるようですね。このサイトでは、ここから火山灰の影響などにも言及しています。さて世の中にはいろいろな人がいるもので、フランスのダンジョンという天文学者が「ダンジョンの尺度(スケール)」という色の目安を用いて、月食の色を調べていたそうです。詳しい表まであるそうですが、国立天文台のサイトでは、それをもっとわかりやすく図示してくれています。それが次の図です。
これらは、主として大気中のチリの量によってきまるようです。今日の色はどんな色でしょうか?ざっとスーパームーンと皆既月食についてご紹介してきましたが、最後に今日の皆既月食を観察できる時間と方角も国立天文台のサイトから引用して終わりにします。
皆既月食は、午後8時9分からおおよそ南東の方角で約19分間見られるそうです。さあ、用意はよいでしょうか?あとは好天をいのりましょう。
今朝ご紹介した皆既月食ですが、残念ながら雲に覆われて皆既月食はみませんでした。せっかく携帯のカメラ用望遠レンズを用意してまっていましたが、空振りに終わりました。
国内では、北海道や東北、小笠原などで観察できたそうです。下の写真はNHKのサイトに載っていた皆既月食の映像です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210526/k10013053271000.html
次に日本で皆既月食が見られるのは来年11月8日で、スーパームーン皆既月食は、12年後の2033年10月になる見込みだそうです。12年ぶりと聞くと今夜の天気がかえすがえすも残念です。