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かんとこうブログ

2021.07.30

菅総理、本当に人流は減っていますか?そしてその減り方は感染者を減少させるに十分ですか?

この2-3日の感染拡大をうけてのインタビューに対し、菅総理は幾度となく「人流はまちがいなく減っている」と答えていましたが、本当に人流は減っているのでしょうか?さらに、感染者が減少に転じるためにはどの程度人流が減る必要があるのでしょうか?かつては7割削減など具体的な目標が出されていましたが、今はそうした具体的数値がない中で、「減った」という言葉が飛び交っている気がします。これでは国民の心に響く訴えをすることができません。今日はこの第4次緊急事態宣言(822日東京へ適用開始)が及ぼした人流の影響を検証してみます。

とは言え、今私が使えるデータはアグープのグラフしかありませんので、毎日の平均人出のグラフを切り出して傾向を調べてみました。いつも調べている東京18カ所、312カ所にあと6カ所ほど加えて20217月の毎日の人流の推移を並べていました。グラフの中の縦棒の色は青が平日、オレンジが休日です。第4次緊急事態宣言が東京に適用開始されたのは722日からでしたので、その時点を黄色い三角で示しています。

https://corporate-web.agoop.net/pdf/covid-19/agoop_analysis_coronavirus.pdf

白い矢印は目視で決めた全体の傾向です。東京の18カ所ですが、第一印象としてはあまり変化がないということではないでしょうか?緊急事態宣言に向かう過程で若干減少しているように思えますが、緊急事態宣言が発せられても一挙に人流が減少したということはありません。

続いて3県プラスαです。ここでも顕著な人流の減少はありません。むしろ場所によっては、観光地などでは増加している場所さえあります。ともかく、緊急事態宣言とともに人流が大きく減少したということは起きていません。

一体どこまで人流が減れば感染者の増加が減少に転じるのでしょうか?毎週開けに行っている休日の昼間の人出についていえば、感染拡大前の50%程度まで落ちればブレーキがかかり増加が減少に転じるという感触を得ています。このデータでは、そうしたこともわかりませんので、第3次緊急事態宣言の場合の人流データから、クリティカルな人流減少ポイントを推定してみることにします。無作為に選んだ9地点の41日から531日までの人流データをしめします。第3次緊急事態宣言は425日適用開始でしたので、その時点を黄色い三角で示してあります。

こうした並べてみて驚くのは、第3次緊急事態宣言の時も大きな人流の変化など起きていないのです。それではなぜ減少に転じたのでしょう。考えられるとすれば4月末からのゴールデンウイークの存在です。東京や品川と言ったビジネス街では休日の人出は激減します。こうした場所では1週間近い人流の少ない期間が存在していたと言えます。加えて言えば、観光地的要素の強い浅草やお台場などでも、ゴールデンウイーク中の休日の人出はその前後の休日に人出と比べて増えてはいなかったということも重要なことではないかと思います。

すなわち、第3緊急事態宣言が発出され感染者が抑制された真の立役者は、協力的な国民の自己犠牲ではなく、ゴールデンウイークの存在そのものではないかと思われます。

今回も4連休がありました。が、この4連休中の人出は、その前の休日とくらべ決して減少していません。むしろ増えているようです。夏休み、オリンピックなど人出が増加する要因は少なくありません。

緊急事態宣言は関東3県と大阪府に適用されることになりました。今こそ十分な統計資料を使用して、人流をどこまで減らせばよいのか、そしてそのためには国民がどういう行動をとらなければならないのか、情熱をもって心から訴えてもらいたいものです。

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