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かんとこうブログ

2021.10.11

コロナ新薬「モルヌピラビル」について

先日来米国大手製薬会社メルクが開発中のコロナ感染症の新薬「モルヌピラビル」に関する報道がありました。気になりましたのでネットで情報を集めてみました。今日はこの「モルヌピラビル」についてご紹介します。ネット情報を眺めたところ、「ネットIBニュース」の内容が最も具体的で精細に書かれていると感じましたので、このサイトの情報を中心にお知らせします。まずこの新薬の現在の立ち位置について「 ネットIBニュース URLは下記)から引用します。
https://www.data-max.co.jp/article/44108
新型コロナウイルス感染症の軽症患者向けの「飲み薬」が、国内でも年内に特例承認される見通しになっている。この「飲み薬」は、米国の大手製薬会社「メルク」が開発中の『モルヌピラビル』で、同社は日本を含む国際第III相臨床試験(治験)の中間解析によって入院リスクがほぼ半減したとして、近くFDA(米国食品医薬品局)に緊急使用許可を申請する。
 同社はFDAの許可を待って、日本を含む世界各国の規制当局に承認申請書を提出する考え。厚労省は、海外で使われている国内未承認薬を通常より簡略化した手続きで承認し使用を認める特例承認制度を『モルヌピラビル』に適用する方針。

コロナの治療には現在5種類の薬(レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブ、カシリビマブ/イムデビマブ、ソトロビマブ)が認可されていますが、この「モルヌピラビル」はこれら5種類の薬とは異なる作用機序の薬としての認可を目指すという位置にあります。この「モルヌピラビル」の作用機序は、かつて話題になった日本生まれの新薬「アビガン」と似た作用機序であるとされています。

「モルヌピラビル」の作用機序について以下に複数サイトの情報をまとめてみました。

最も簡潔には「ウイルスRNAにエラー発生させ、最終的に複製を防ぐように設計された抗ウイルス剤」ということになります。化学構造としては「核酸アナログ(リボヌクレオシド類似体)」と呼ばれるもので、下図のよう構造をしています。

ずべてウイキペディアから引用

「アビガン」も核酸塩基と類似構造をしていると言われていますが、「モルヌピラビル」の構造は核酸塩基のシトシンがD-リボースと結合したリボヌクレオシド(上図中央)にとても良く似ています。この類似構造の物質を取り込ませることでウイルスの増殖時にコピーエラーを引き起こさせる仕組みのようです。

すでに治験が実施されており、以下のような結果であったと報告されています。

125日間投与して29日経過した時点での、入院者が半減、死亡者はゼロ(偽薬投与者では8人)に抑止したとされています。様々な変異株にも効果があり、「アビガン」で指摘された催奇性の問題も報告されていません。

最後に価格情報があります。「米紙によると、1人あたり約700ドル(約7万7700円)かかる。」とか。日本の代理店は価格について「現時点ではノーコメント」としています。

もちろんまだ日本での認可は先の話ですが、ファイザーや塩野義に続き、さらにこうした「飲み薬」が開発されている状況は誠に心強く頼もしい感じがしています。

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