かんとこうブログ
2021.11.26
来週は 1 年で日の入が最も早くなります(ほぼ再掲)
今日も又手抜きをして、昨年の12月4日に掲載した内容を再掲します。今度の日曜日(11月28日)から日の入が午後4時28分という日が12月13日までの16日間続きます。1年で最も日の入りが早い季節となります。
1年で一番昼の長さが短いのは冬至ですが、日の入が最も早いのは冬至ではないのです。このことはいろいろなところで触れられていますが、なぜ冬至ではないのかについては、あまり書かれていないようなので、今日はこのことについて調べたことを書きます。
実は冬至と最も早い日の入が一致しない理由はかなり難しいので、専門家に説明を委ねることにして、国立天文台のサイトから引用させてもらいます。
まず、なぜ冬になると日の入が早くなるのかについての説明を引用します。
「昼間の長さは、太陽の高さで決まります。つまり、太陽が空の高いところを通過すれば、それだけ、空を横切る時間が長くなるわけです。太陽が空のもっとも高いところを通過するのは夏至の日です。逆に、冬至の日にもっとも低くなります。日の出・日の入の早さ・遅さもだいたいは昼間の長さで決まります。昼間が長いと、それだけ日の出は早く、日の入は遅くなります。」
とここまでは良く知られていることですね。ここから冬至と日の入が最も早い日が一致しない説明になります。
「しかし、夏至(冬至)の日をはさんで前後約1週間にわたっては、そうならずに、日の出・日の入ともに日々遅くなっていきます。
日の出・日の入の早さ・遅さを決めている要因は(太陽の高さのほかに)もうひとつあり、それは太陽の動き方です。地球から見ると、太陽が空を動いているように見えますね。この動き方が年間を通して一定であれば、日の出・日の入の早さ・遅さは昼間の長さだけで決まります。しかし、実際には、太陽は季節によって動く速度が違うのです。これは、以下の理由によるものです。
①太陽の通り道である黄道と天の赤道が23.4度傾いているため、太陽が天の赤道に対してして動く速度が一定ではない
②地球の公転軌道が楕円であるため、太陽の日々の進みが一定ではない」
つまり太陽の動き方が季節によって違うために、日の出・日の入の早さ・遅さは昼の長さだけで決まらないということです。ここで、地球の公転について季節との関係を確認してみましょう。
現在は冬至の前ですから、ちょうど右端の方に近い場所にあります。また公転軌道が真円からすこしだけ歪んだ楕円であるというイメージも確認してください。
「ここで、太陽の南中する時刻(太陽が真南を通過する時刻)について考えてみましょう。南中時刻は、ちょうどお昼の12時ではなく、年間を通して変動があります。これも、上記2つの理由によるものです。夏至と冬至の頃は、南中時刻がどんどん遅くなっている時期にあたります。」
つまり、太陽が動く速さが季節によって異なるので、南中の時刻も12時ちょうどからずれるということです。具体的に南中時刻の年間の変化を見てみましょう。
11月初めを頂点とした秋から冬にかけては、南中時刻が早くなっていく時期にあたっています。これを踏まえて説明をお読みください。
「南中時刻は日の出から日の入までのほぼ中間にあたりますので、単純に考えて、南中時刻が遅いほうにずれれば、そのぶん日の出、日の入も遅いほうへとずれていきますね。ちょうど、夏至、冬至の前後は、この効果が大きくあらわれるため、日の出・日の入ともに日々遅くなっていきます。」
整理すると、「本来太陽の高さが最も低い冬至の日の入が最も早くなるはずであるが、太陽の進行速度が季節によって変動するため、冬至にむかうこの時期は南中時刻がどんどん遅くなっていくため、日の入もずれて遅くなってしまい、結果として12月初旬が最も日の入が遅い時期である」ということなのです。日の出の場合も同様にして、この時期南中時刻が遅くなることに連動して遅れ気味となり、1月の初めに最も遅くなることが説明できます。
またこのようなことは夏至の前後でも起き、日の出が最も早いのが夏至の1週間前、日の入りの一番遅いのが夏至の1週間後となります。因みに冬至の日の入は午後4時32分で、来週からの最も早い日の入の4時28分と4分しか変わりません。
日の入が早いと早く暗くなり、どことなくうら悲しくなりますが、ここを過ぎればまた日が長くなると思えば、少し気分が明るくなるかもしれません。
本日の内容は主に国立天文台の以下のサイトから多くの部分を引用させてもらいました。