かんとこうブログ
2022.01.26
業況観測アンケート・・前々年比が2か月連続100超え!
昨日日塗工から業況観測アンケート12月分を受領しました。すでに組合員の皆様にはFAXで配布済みですが、12月は11月に比べて前年同期比で若干のアップであり、先月に26か月振りに100を超えた前々年同期比も2か月連続で100を超えました。しかしながら、いよいよ本格的に回復かといえばそうではありません。2019年10月に消費税増税が断行された結果、11月12月はもちろん、2020年の1-3月まで、コロナとは無関係に前年同月比が100を下回っていました。従って、2019年12月を超えたからと言ってコロナ以前に平準値にもどったわけではありません。本格的な需要回復にはまだしばらくの時間が必要と思われます。
というところでまず、業況観測アンケートの結果一覧から見ていただきましょう。
全体では11月に比べ前年同月比(金額)で0.8ポイント上昇しました。2020年12月はコロナ禍による需要のおちこみからほぼ前年並みまで回復した時期であり、用途別全体の前年同月比が98.7でありましたので、前々年同月比では、102%付近の値となります。前々年比が100を超えるのは、先月に続き2か月連続です。
1月の予想は、前年同期比で 金額 104.8% 数量 103.0%と12月に比べ「若干の改善」となりました。
分野別では前年同月比(金額)で11月の値から、自動車が10.3ポイントアップした以外は建築外装が10ポイント、船舶・構造物が6.9ポイント、電機・機械・金属が3.2ポイント、木工が13.8ポイントと多くの分野でダウンとなりました。
さてこの昨年の大半は、前年同期比でプラスながら前々年同期比でマイナスという傾向が続いていました。これは2020年の第1波の大きな需要の落ち込みの反動で、2021年の前年同期比の数値が異常に大きくなったことで、前年同期比が、平年と比べてどうかという指標の役目を果たさなくなったためでした。前年同期比に代わり前々年同期比で平年との比較をさせようと両者を比較させていましたが、そろそろこの乖離減少も終わりにきているようです。下の図をご覧ください。
赤丸で囲んだ期間の乖離がようやく終了したと思われます。ただし、今年についても前年となる2021年が必ずしも標準的な需要を示している年とは思えませんので、なにか平年値の代わりとなるような指標を選定する必要があると考えています。
最後にこれまで続けてきたリーマンショック時とコロナ禍の対比です。
もうすでにコロナ禍から2年が経とうとしています。この二つの事象によって引き起こされた経済の混乱、需要の停滞は、やはりよく似た経緯を辿っているものと思います。そして何より大事なことは、今回のコロナ禍の方が、まだ需要の停滞は軽微であるということです。リーマンショックによって、塗料の需要は約2/3にまで落ち込みました。これまでのところ、落ち込みはそこまでは大きくはありません。自動車用の需要推移だけは、半導体をはじめとする部品不足という要因でリーマン以上とも思える長期低迷が続いていますが、車需要の低迷ではありませんので、遠くない将来に回復を期待しましょう。このリーマンショックとの対比はまだしばらく継続します。