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かんとこうブログ

2022.03.07

感染者が増えた年代、減った年代

首相官邸ホームページに掲載されているワクチン歴別感染者数が毎週木曜日に更新されています。最新データは214日から220日までの1週間における感染者の動向が示されているのですが、この期間は新規陽性者数が減少に転じている時期であり、年代別の感染動向に変化が現れていましたのでその内容をご紹介したいと思います。

まず、掲載データから示します。

これだけでは数字の羅列ですので、最も年代別の感染傾向がよくわかる図をお見せします。ワクチン歴別年代別10万人あたりの感染者数推移です。

 

前回も同じことをお伝えしましたが、ワクチンの未接種者と2回接種者の差は特に高齢者においてますます拡大しています。そして1月中旬まで新規感染の最多年代であった20歳代は未接種者、2回接種者とも3週続けて減少していました。一方で、2回接種者に限れば、80歳代90歳代の高齢者でも10万人あたりの新規感染者(新規陽性者)数は決して多くありませんワクチン接種、未接種の差があまりにも大きいのです。(ただし高齢者の場合には重症化しやすいという点は重要です)

 

 2回接種による年代別の感染阻止率と、その推移を下図に示します。

これまで繰り返し説明してきましたが、世間で信じられている「2回接種では感染防止効果が全くなく、3回目を打たないと感染リスクを回避できない」というのは、少し違うのではないかと思います。2回接種者での感染している人は確かに多くでていますが、未接種者と比べれば非常に少ない割合でありいまだにワクチンによる感染防止効果は残っていると思われます。現時点での2回接種者の感染抑止効果は全世代平均で75%程度ありますので、3回目接種をすることにより95%程度の感染抑止効果があるとしても、せいぜい感染防止率が20%程度上がるだけに過ぎないということではないかと思います。

ワクチン接種歴による差を年代別にもう少し詳しく見ていきましょう。214日から20日までの1週間の新規陽性者は、年代によって大きく二分されました。

左が27日からの1週間、右が214日からの1週間です。右のグラフが大きく見えるのは90歳台の未接種者の感染者数があまりにも高いためであり、年代別に一つずつ比べるてみると未接種者における70歳未満および2回接種者における80歳未満では、前の週に比べてわずかではありますが減少に転じていました。言い換えると前の週から増加したのは、未接種者の80歳以上と2回接種者の90歳以上に限定されます。ここからどんなことが言えるかといえば、やはり高齢者の未接種者には早くワクチンを接種しなければならないということではないでしょうか?

一方ワクチン接種の有無によらず年代別全体で見てみましょう。011歳(12歳分)と1219歳(8歳分)については、それぞれ係数をかけて他の年代と同じく(10歳分)なるように補正しています。

左が27日からの1週間、右が214日からの1週間です。多くの年代で新規陽性者は減少に転じており、増加したのは80歳以上だけであり、011歳は前の週と同数でした。ここでも80歳以上が増加していること、011歳の若年層が最多であることが注目されます。

以上から結論として、重症化リスクの高い高齢者(とりわけ未接種者)と年代別感染割合が最も高い幼児、児童へのワクチン接種が急務と言えるのではないでしょうか?

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