かんとこうブログ
2022.04.13
昨日の蛇足、3回目ワクチン接種の感染抑止効果について
昨日の年代別3回目ワクチン接種率のデータを見て、改めて感じたことは3回目ワクチン接種が、感染抑止に決定的な役割は果たしていないということでした。こう言うと元々ワクチン接種は感染抑止のためではなく、重症化防止が目的と言われそうですが、でもよく混同されているように思います。
しつこいようですが、3回目ワクチン接種と感染者数の間に関係がないと考える根拠を示します。それは年代別感染者数の推移です。ワクチン2回以上接種者について見れば、10万人あたりで見ても、全体の数で見ても、新規陽性者は若年層が一貫して多数を占めています。
一方で3回目ワクチンの全国民に対する接種率は以下のグラフのようになり1月末までは大変低く、その後2月3月は1か月あたり約20%の早さで上昇しています。重要なことは、この間で高齢者とそれ以外の年齢層では3回目の接種率に大きな差ができました。4月11日現在のデータで見ると、高齢者の3回目接種率は84.7%にも達していますが、それ以外の年齢層の3回目接種率は27.4%に過ぎません。
これほど大きな差があり、かつ3回目接種が感染抑止効果に特段の効果があるのであれば、2回目以上接種者の感染抑止効果に大きな差がでてくるはずです。しかし実際のワクチン歴別新規感染者の数から計算した感染抑止効果については第6波の初期、最盛期、最新データで大きな変化はありません。
この3か月弱の間、若年層では経時で抑止率が若干低下、高齢層では若干上昇してはいるものの、大きな変化というほどではありません。
以上が3回目ワクチンの感染抑制効果についての説明ですが、実は、3回目ワクチンの感染抑止効果をはっきりと検証する方法があります。それは、現在首相官邸ホームページのコロナワクチンに毎週木曜日に更新しているワクチン歴別の新規感染者数のデータについて、区分を未接種者と2回接種者の2区分からこれに3回接種者を加えた3区分として発表することです。2回目接種者と3回目接種者を比較することで3回目接種に特段の感染抑止効果があるかどうかが明確に検証できるはずです。そうしたデータ提供を期待します。