かんとこうブログ
2022.05.31
低迷さらに深刻化・・4月の自動車生産
昨日一斉に国内自動車メーカーから4月の生産台数が発表になりましたが、全般的に生産停滞が深刻化している状況です。国内生産が特に深刻で、前年同期比で100を超えたのはスバルのみでダイハツがほぼ前年なみ、トヨタも前年同月の9割を確保したものの、スズキが前年の8割超え、あとはかなり落ち込み、ホンダ、マツダは前年の50%割れとなりました。また前月から生産台数が増加したのも、国内、世界ともスバルのみでした。全体の前年同期比からご覧ください。
左の図が前年同期比です。唯一スバルのみが前年同期比を大きく超えていますが、これも前年の4月の生産が低迷したためこのような数字となったものです。右の図は2019~2021年の月平均国内生産台数のgグラフに2022年4月の水準を赤の横棒で書き入れたものですが、唯一4月の前年比が100超えだったスバルを見ても2022年4月の生産台数は2019年はもちろん、2020年にも及んでいないのがわかります。
下に各社の国内生産、世界生産の台数の推移を示しますが、スバルを除き4月は下向きとなっています。
トヨタ、日産、ホンダの中ではトヨタのみがまずまずでしたが、トヨタと言えども上海地区のロックダウンの影響は大きく、6月の国内工場の生産休止が計画されているとか。ホンダの国内は昨年の5月7月と同程度の大きな落ち込みとなっています。
スバル、マツダ、三菱の3社では、スバルのみが前年同月比、前月比ともプラスでしたが、とはいえ4月の水準は決して高くありません。マツダ、三菱はかなりの落ち込みとなっています。
こうしてみてきた中で、軽自動車主体のダイハツ、スズキは他社よりも生産台数の落ち込みが軽微です。特にスズキの世界生産は昨年11月以降、ずっと2020年2021年の月平均を上回っています。
この4月の生産台数を、一覧状態で眺めるとホンダ、マツダ、三菱の落ち込みが深刻であるように見えます。こうした現象は言うまでもなく半導体をはじめとする部品不足ですが、今年の要因としては中国のロックダウンがさらに部品供給をタイトにしています。世界規模での工業生産と言えばスマートかつダイナミックであり、通信や輸送などの発達の賜物と言えそうですが、一方でひとたびことが起きると実に多方面への影響が波及することを痛感します。