かんとこうブログ
2022.06.18
オレゴンへの道・・陸上世界選手権の出場権についての解説と期待
6月の9日から12日まで大阪の長居で陸上競技の日本選手権が行われ、7月にオレゴンで開催される陸上講義の世界選手権の内定者が出ました。以前は標準記録の突破が出場資格でしたが、最近は、それに加えて世界ランキングの上位者にも出場資格が与えられるようになり、世界選手権の選考会である日本選手権が終わっても代表選手が決定されず内定が出されるだけになりました。今日はこの代表選考の仕組みと当落線上にある選手たちをご紹介します。塗料とは全く関係ない事柄ですが、昨年もオリンピック前に一度書かせていただきました。今回もご容赦ください。
出場資格は下記の上囲みの4種類です。基本的には①の参加標準記録を破ればよいのですが、これを突破する選手が多すぎるとプログラムに支障がでるので最近はかなり高い水準の記録が設定されています。そうなると、突破者数があまりに少なくなるケースがあり、盛り上がりに欠けることが想定されます。こうしたケースを回避するのが④のランキング上位者で補充する仕組みで、この制度により必ず予定した人数で競技ができるようになっています。
一方、日本国内には国内の選考方法があり、とにかく選考会である日本選手権で3位以内に入ることが求められています。ただし、マラソンと競歩はすでに別方法で選考が終わっていますので対象外です。日本選手権で3位以内に入った選手が、標準記録を破っていれば内定、破っていない場合は、世界ランキングで上位にいる場合に限り6月29日に世界陸連から発表される資格者であることを確認した上で代表決定となります。
それでは、最新の世界ランキングに名前を連ねている日本選手をすべてご紹介します。最初は男子のトラックとマラソンです。
ピンク地の選手は代表内定または決定選手です。青地の選手が日本選手権で3位以内に入った選手で、数字がピンク地の選手は標準記録突破選手、黄色地の選手はランキングで選ばれる可能性があるすべてマークしていまます。日本選手権で3位以内に入り、標準記録は突破していないがランキングで資格を得れば代表となる可能性がある選手は名前が赤字の選手です。
標準記録突破が認定されるのは6月28日までですので、そうした選手たちのためにまだ競技会が予定されており、日本選手権で3位以内に入った選手は、今後期限までに標準記録を突破すれば即内定となります。
ランキングで資格を得るためには少なくともターゲットナンバーと言われる出場予定人数よりも上位にランクされていなければなりません。ターゲットナンバーは種目によって異なっており、トラックは48、フィールドは32が基本ですが、伊藤選手、相澤選手が出場圏内に残っている10000メートルのターゲットナンバーは27であり、27名しか出場できませんので相澤選手は当落線上ということになります。因みにその10000メートル7ですが、日本選手はランキングの100位以内になんと11人も入っています。アフリカ勢の強い種目なのでアフリカを除けばまちがいなく世界一の選手層の厚さです。ハードルの両種目とも9人ずつランク入りし3000MSCも含めて障害系では日本人の選手層は厚いようです。次は男子のフィールドと競歩です。
フィールドの内定は、残念ながら幅跳びの橋岡選手のみに留まっています。高跳びの真野選手やり投げのディーン元気選手、小椋選手はランキングで代表となる可能性大ですが、棒高跳びの江島選手、幅跳びの津波選手は微妙なところです。日本の競歩はレベルが高く、20KMでは前回優勝のワイルドカードを含め4枠、今回から新設の35KMでも3枠とフルエントリーが決まっています。次は女子のトラックとマラソンです。
女子のトラック・マラソンは長距離を中心に内定者が出ていますが、全体的には男子に比べ100位以内の選手が少なくなっています。ランキングで出場権を得られそうなのが1500Mの卜部選手と3000MSCの山中選手の2人です。最後に女子のフィールドと競歩です。
女子もフィールドは低調でまだ内定者がいません。ただ、幅跳びの秦選手、やり投げの北口選手、上田選手は出場権を獲得できそうです。女子のやり投げは世界ランク100位の中に11人も入っており、日本人の体格から考えればすごいことではないかと思います。
ざっと現在のランキングの状況をご紹介しました。あと2週間でどのように変わるでしょうか?因みに現時点でランキングにおける日本人の最上位は幅跳びの橋岡選手の3位、ついで競歩の池田選手の4位、川野選手の5位と続きます。女子では10000メートルの廣中選手の7位が最高で、マラソンの松田選手の8位が続きます。
今から月末にかけて毎週更新されるランキングから目が離せません。