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かんとこうブログ

2022.07.11

国の予算の社会保障費は何に使われているのか?

先週まで行われていた参院選で論点のひとつに社会保障費の財源がありました。本来社会保障費用のための消費税が、所得税や法人税減税の穴埋めに使われているという主張が野党からありました。ことの真偽は不明ですが、気になったのは社会保障費の中身です。一体何に使われているのか・・何となくわかったような気になっていましたが、具体的にはわかりませんので調べてみました。なるほどと思った点と知らなかったという点と両方ありました。

社会保障費は令和4年度予算では36.2兆円計上されており、予算中の33.6%を占めます。国債費を含めても予算費目の中で最大の費目です。この中身は次の図で明らかなように、年金、医療、福祉その他に3分されます。(2021年(令和3年)度予算の説明図なので数字は少し違っています)

https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/000871404.pdf

ですが、これら年金、医療、福祉その他の合計金額は129.6兆円もあり、とても国の予算の36兆円程度では足りません。上の図で下半分には負担の内訳が載っていますが、負担は大きく保険料と公費に分かれ、その公費の一部が国の予算であることがわかります。また公費の残りの部分は地方自治体の予算から出されていることもわかります。では、さらに具体的にどんなところに国の予算が使われているのでしょうか?

薄赤色の部分が国の予算からの支出分です。”福祉その他”については、生活保護、児童手当、児童・障害福祉、雇用保険などへ、”年金”については基礎年金へ、”医療”については、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険、協会けんぽなどへ支出されています。ざっくり言えば社会保障給付の財源は、”福祉その他”については国と地方自治体、民間企業の厚生年金・医療は保険料、基礎年金は保険料と国、国民健康保険、介護保険などは保険料、国、地方自治体、ということになるかと思います。

負担割合はわかりましたが、それではこの社会保障費の問題点はどこにあるのでしょうか?それは言うまでもなく、年々給付と医療費が増大していくことです。

社会保障給付は年金、医療、福祉その他のすべての分野で増加の一途ですが、その増加速度たるやすさまじいものがあります。1970年からの50年あまりでGDPは約8倍に増えましたが、社会保障給付は3600倍に増加しています。中でも年金は6500倍、福祉その他は5000倍にもなっています。高齢化が最大の増加要因と思われます。

それでは国税の内訳はどうなっているのでしょうか?

この図は財務省の資料です。1987年から35年間の所得税、法人税、消費税の推移を示しています。消費税のみが増加する一方ですが、所得税、法人税は大まかにみれば減少傾向と言えるでしょう。消費税はここ3年ほどは所得税を上回る金額になっています。消費税減税の要求が野党候補から出されていましたが、それが果たして可能かどうか、有効な施策なのか、具体的な数字なくして簡単には判断できません。今後はこうしたデータを示した上で議論をしてもらえればと思います。 

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