かんとこうブログ
2023.01.30
Sherwin-Willams 2022年第4四半期ならびに通年決算短信
そろそろ1-12月決算の会社から2022年の決算が発表される時期になりました。世界のTOP3のうちSherwin-WilliamsとPPGの2社における2022年第4四半期と通年の決算短信がすでに発表されていますので、今日はSherwin-Williams、明日はPPGについてその概要をご紹介します。
https://mma.prnewswire.com/media/1990120/SHW_4QYE_2022_Earnings_Presentation.pdf?p=original
下表がSherwin-Williamsの2022年第4四半期と通年決算の概要になります。
2022年の塗料業界は世界的に増収減益基調ですが、さすが売り上げの大半をアメリカで稼ぐSherwin-Williamsは状況が異なるようです。同社の中では弱小部門であり消費者むけブランドグループこそ、微減収大減益でしたが、大黒柱南北アメリカで4000店もの直営店網を誇るアメリカグループは、第4四半期も堂々たる増収増益であり、第3四半期までの増収増益ベースをさらに上積みしました。さらに旧Valspar社製品の機能性塗料グループは、第4四半期、通年の両者とも増収大増益と昨年からの驚異的な回復を見せています。
この裏にはアメリカ経済の回復の足取りがしっかりしていたということがあるとしても、全社売上金額も史上最高値と他社もうらやむ独走ぶりです。Sherwin-Williamsの通年売上金額は200億ドルを超えており、PPGのそれを大きく上回っていますが、かといって来年の夏にCoatings Worldが発表する世界の塗料メーカーランキングでも首位に返り咲くかというと、そこは簡単ではなく、同誌がSherwin-Williamsの売上のなかから塗料以外の関連商品をどのくらい差し引いて評価するかにかかっているという構図には変わりありません。
Sherwin-Williamsはあまり事細かな投資家向け情報を出しませんが、一応第4四半期、通年の決算に関してコメントしていますので、それを下表に示します。小職の拙訳ですので、不可解な部分はご容赦いただき、原文をあたってください。第4四半期も通年もほぼ同じことが書いてありますした。
通年での売上の増減要因としてプラス要因は二桁%の価格アップ、一桁%の数量アップ、同じく一桁%のM&A効果、若干のマイナス要因は為替を挙げています。この背景にはアメリカ市場の好況があるようですが、インフレ対策として金利が上昇中であり、2022年の勢いは2023年にも持ち越せないとみているようです。わかりにくい表現で恐縮ですが下表がSherwin-Williamsの2023年第1四半期及び通年の売上予測で、2022年の堅調が打って変わって軟調予測になっています。
TOP3のうち残るAkzoNobelは2月8日、Top3に割って入ろうという日本ペイントホールディングスは2月14日に2022年の第4四半期ならびに通年決算を発表する予定になっています。