かんとこうブログ
2023.06.07
1年で最も日の出が早い日は?
随分と日が長くなってきたと実感されている方は多いと思いますが、実はもうそろそろ1年で最も日の出が早くなる時期になります。本ブログで何回も日の入り時刻についてはご紹介してきましたが、初日の出以外では日の出時刻のことを取り上げていませんでした。今日はまもなく訪れる1年で最も早い日の出の日についてご紹介します。データは国立天文台のサイト(下記接続先)から引用させてもらっています。また計算した地点は、緯度:35.6581° 経度:139.7414° 標高: 0.0 m (東京)標準時:UT+9hです。
日の出入り@東京(東京都) 令和 5年(2023)06月 - 国立天文台暦計算室 (nao.ac.jp)
まずは淡々と日の出時刻の推移を示します。
紫三角が夏至の日を、赤三角が日の出が最も早い日を示しており、日の出が最も早い日は夏至よりも約1週間早くなっています。(詳しく計算すると6月13日14日あたりが最も日の出が早い日のようです。)逆に日の入りが最も遅い日は夏至よりも約1週間遅くなっています。このことについてはすでに幾度か説明を書いているのですが、そもそも地球の公転周期が真円ではなく楕円形であり、地球からみた太陽の運行速度にばらつきがあり、その結果南中時刻がいつも12時00分とは限らず、季節によってはかなり正午からずれているというのが、この原因です。もう少し具体的に説明します。
南中時刻は5月中旬では11時23分であり一年でも最も早い南中時刻となります。紫三角で示した夏至の日でも南中時刻は11時43分であり、昼が始まる時間(すなわち日の出)が本来より17分早くなっているということになります。
つまり、昼の時間帯が少し朝寄りにずれているといことなのです。ここで南中時刻を12時ちょうどの固定した場合の日の出の時間を計算してみました。その結果を下図に示します。南中時刻を12時として日の出時間を補正してやると補正した日の出時刻が一番短くなるのは夏至の日になります。
これは日の入りについても同様に計算でき、南中時刻を12時として日の入り時刻を補正してやれば、補正日の入り時刻が一番遅くなるのは夏至の日になります。
つまり、夏至の日には南中時刻さえ12時であれば、日の出が一年で一番早く、日の入りが一年で一番遅くなるのですが、実際には南中時刻が12時からずれているため、日の出、日の入りがその影響を受け、一番早い日の出、一番遅い日の出が夏至の日にはならない、ということなのです。
最後に南中高度(南中時の太陽の高度)を示します。さすがに南中高度は夏至の日が最も高くなっていました。当然と言えば当然です。
これまで日の出、日の入り関係でいくつかブログ記事を書いておりますので、参考までに見ていただければ幸いです。