かんとこうブログ
2023.06.21
経産省4月度確報・・・塗料種別単価指数はまだ上がるのか?
昨日日本塗料工業会より経産省4月度確報を受領しました。組合員の皆様にはFAX他にて転送中ですが、毎月お知らせしている塗料種別の単価指数について、以下にお知らせいたします。塗料種ごとに販売金額を販売数量で割るだけのことなので、誰でも計算することができるのですが、意外にそうしたことをする人が少ないようなので、あえて毎月お知らせしています。
塗料種別の価格指数(2021年1月の価格を100とした時の指数)の推移をざっと見ていただければわかると思いますが、前月(2023年3月)から見て価格が上昇したものがかなりあります。
価格が上昇したのは、アミノアルキド塗料、ウレタン樹脂塗料、溶剤系塗料合計、エマルション塗料、路面標示塗料、粉体塗料、その他塗料、シンナー類です。価格が下落したのは、アクリル樹脂塗料(常乾)、同(焼付)、エポキシ樹脂塗料、水系塗料合計とむしろ少数でした。
一方で原油、ナフサ、ガソリン、灯油については下図のようであり、なんと原油の価格指数(2021年1月の価格を100とした指数)が、ガソリンや灯油の価格指数を下回るような状況になりました。ただし依然としてナフサの価格指数は200近くで高止まりをしています。塗料で使用される主要な有機溶剤である芳香族炭化水素については、ナフサの価格に連動しているようですので、原油が下がったからと言って塗料の原料がすぐに下がるわけではないようです。
最後に2021年1月から2023年4月までの27か月間で、それぞれの塗料種の価格上昇幅をご紹介します。
価格指数としては値上がり幅の大きいシンナーも上昇金額ではそれほどではありません。これは、塗料に比べてシンナーの価格が低いからです。塗料種として最も上昇幅の大きかったのは先月に引き続きアミノアルキド樹脂塗料でした。
お断りしておきますが、これらの数値はすべて塗料製造所から出荷される際の出荷金額であって購入金額ではありません。理論的に購入金額は出荷金額よりも高いはずです。購入金額としての指数は日銀の企業物価指数がそれに相当するのですが、残念ながら塗料種類に関する情報はほぼありません。従って塗料種別の価格に関する公的な情報としては、この経産省確報が唯一と言ってもよいので、あえてこれをご紹介しているという事情があります。