かんとこうブログ
2023.09.07
遅まきながらのSDGsランキング2023 その2
昨日に引き続きSDGsランキングのご紹介をします。今日は17の目標のうち日本が最低評価=「深刻な課題がある」を受けている5つの目標について詳しく見ていきたいと思います。
以降17の目標のうち日本の評価が低い5項目について、その細目ごとのスコアをランキング1位のフィンランドと比較しながら見ていきたいと思います。スコアの数字の色がその目標の達成度を表しており、緑字が「達成済」、黄色字が「課題が残る」、オレンジ字が「重要な課題が残る」、赤字が「深刻な課題が残る」となっています。
最初は性格差です。性格差において、日本の評価が「深刻な課題が残る」となった理由は、5項目中の二つ、「国会における女性の議席%」と「男女間の賃金格差」と思われます。先のGender Gap Reportでもそうであったように、女性の地方議員がいくら増えても国会議員が増えなければ評価されないシステムのようですので、日本での改善の道のりは容易ではありません。
「つくる責任、つかう責任」のうち「つかう責任」については、昨年も指摘されたと同じことが指摘されています。すなわち、電子機器製品の廃棄物量が多い(製品のサイクルが短い)こととプラスチック廃棄物の輸出が多いことです。「つくる責任」においては、各種の数値はフィンランドのそれを上回っているものが多く、結構日本は頑張っていると思います。一方で「つかう責任」に関しては、これまでの使い捨て文化から「もったいない」の世界への転換が必要と思われます。
気候変動対策は、いまやSDGsの中でも最も重要な目標かもしれません。現実的にはこの項目の達成度は、むしろ低所得国の方が勝っており、高所得国は一様に落第点になっています。全体1位のフィンランドでもこの項目は落第点であり、日本と大差ありません。実際のところ、この項目で及第点をとるには、カーボンニュートラルを実現できるほどのエネルギー源の転換が必要であり、一朝一夕には解決できない問題だけに、この目標の達成は深刻とも言えます。
水中の生物については、日本のスコアは全体に芳しくありません。特に漁業に関する項目は一様に芳しくありません。とは言えよく見ると結構努力していることは窺われます。これらの項目については、今後改善が進んでいくことを期待したいと思います。
最後は陸上の生物です。これも日本は結構努力していることが窺われる内容となっているのですが、フィンランドに比べるとまだまだ低い数値になっています。これも段階的な改善に期待したいと思います。
こうして見てくると、SDGsの目標は非常に多様な観点から設定されており、単にレジ袋を有料化するだけで解決するような話ではないことがよく理解されるものと思います。毎日の生活のひとつひとつを見直していく地道な努力が求められているのではないでしょうか?