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かんとこうブログ

2023.09.15

女性閣僚が5名になるとGender Gap Reportの順位はどれだけあがるか?

今年6月に発表されたGender Gap Report 2023では、日本は順位を9つおとし、全体で125位という大変不名誉な順位になりました。中でも女性の政治参画については、さらに順位が低く138位と大変低い評価になっていました。この理由は簡単で、女性の政治参画に関しては3項目で評価されており、①女性の国会議員の%、②女性の大臣の%、③女性の国家元首または首相の割合(過去50年)の評価結果だからです。日本にとってはこの大幅改善は容易ではなく、最も容易な改善は女性大臣の任命を増やすことであると書きました。

この度の内閣改造において女性大臣が5人任命されました。それまでは2名でしたので一挙に2.5倍になったわけです。これによってGender Gap Reportの順位がどのように変わるのかシミュレーションしてみましたのでご紹介します。

女性の政治参画は以下の表のように計算されます。国会議員、大臣、元首または首相の男女比率をもとに偏差%が計算されます。これをもとに全体の分布が作成されそれに基づき偏差値が出されます。そしてその偏差値に重みづけされた係数がかけられて「大臣」スコアが決まります。

細目のスコアにはすでに重みづけ係数が掛けられているのでそのまま「国会議員」と「国家元首または首相」のスコアと足し合わせて「政治参画」のスコアが決まります。そして最後に「経済的参画・機会」「就学機会」「健康・寿命」「政治参画」の4項目のスコアの平均がその国のスコアとなって順位がつけられます。

今回は、大臣の項目だけを新しい5人の女性大臣という条件で計算してみました。詳しい計算方法までわかりませんので、全大臣数20人(総理大臣含む)と言う条件で試算してみました。

男女偏差はそれまでの-83.33%から-50.00%に縮まります。そしてスコアは0.091から0.333にジャンプアップします。「国会議員」と「国家元首または首相」の2項目と今計算した「政治参画」のスコアについてそれぞれ重みづけ係数を掛けて全体スコアを計算すると0.117と求まりました。

この数値を使用して、残りの「経済的参画・機会」「就学機会」「健康・寿命」のスコアを足して平均を求めると最終スコアとして0.662がなりました。これらを2023年のランキングと比較してみました。

政治参画は22位上がって116位に、全体のランキングでは9位アップして116位になりました。と言ってもこの全体ランキングの順位はちょうど2022年の順位であり元に戻っただけととも言えます。加えて、あくまでこれは仮定の話ですので、来年度の順位がこのようになるということではありません。しかし女性大臣を増やすことはこのくらいインパクトがあるということは理解していただけたと思います。

大臣の任命において、Gender Gap Reportを重要要因として考慮するかどうかについては異論があるとは思いますが、実力を備えた女性政治家がどんどん台頭してきてもらうことについては大いに期待するところではないでしょうか?

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