かんとこうブログ
2023.09.19
「溶剤型塗料全体」が単価上昇・・経産省確報7月度
経産省7月度確報につきましては9月14日に発表され、日塗工から受領した確報情報は、すでに組合員の皆様には送付済です。それとは別に、例月の如く主要な塗料種別の単価指数をご紹介したいと思います。
7月度の動向としては、掲題に取り上げた溶剤型塗料全体の高騰が注目されます。全般的には高止まりが多いなか、この溶剤型全体の単価の動向は目を引きます。それでは順番に塗料種別の単価指数の推移を示します。
最初の4種のうちでは、アミノアルキド樹脂塗料とアクリル樹脂塗料(常温)の単価上昇がそれぞれ、Kgあたり7円、17円と他種よりも大きな値となりました。アクリル樹脂塗料焼付型、エポキシ樹脂塗料の単価上昇はそれぞれKgあたり1円と3円でした。
ウレタン樹脂塗料は微減でしたが、溶剤型塗料全体では15円/Kgとかなり大きな単価上昇となりました。一方、エマルション塗料は前月と同額、水系塗料全体では2カ月連続の微減となりました。
路面標示塗料では前月からは微減でしたが、4月以降3カ月では11円/Kgの下落、粉体塗料は前月と同額、その他塗料は前月から6円/Kgの下落、シンナーは前月と同額でした。
一方原油、ナフサ、ガソリン、灯油ですが、原油は7月、8月と2か月連続上昇(原油のみ8月のデータを取り込んでいます)、ナフサは3月をピークに4カ月連続下降中、ガソリン、灯油は補助金減少により上昇中というところです。
これまで繰り返し書いてきていますが、ナフサの単価指数に比べると、塗料およびシンナーの単価指数ははるかに低い状態であることには変わりありません。
最後に、2021年1月から2023年7月までの30か月間における各種塗料種別単価指数ならびに単価の上昇幅を示します。単価そのものでは、上昇幅の大きい順にアミノアルキド樹脂塗料、粉体塗料、ウレタン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料(常温)、同(焼付)の順でした。一方単価指数では、大きい順にアミノアルキド樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、エマルション塗料、その他塗料、アクリル樹脂塗料(常温)の順でした。
経産省確報から計算した原材料単価の動向を明日ご紹介しますが、樹脂の中では、メラミン樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂あたりの出荷数量と金額の乖離が大きくなってきており、アミノアルキド樹脂塗料は、メラミン樹脂とアルキド樹脂の両方を含むため、価格の上昇幅が大きくなっていると推測できます。
明日は、経産省確報7月度の数値から計算した塗料原材料の単価指数(2021年1月=100)についてご紹介します。