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かんとこうブログ

2023.09.28

まだしつこく続きます・・・無溶剤型塗料の不思議

今週はずっと塗料の出荷金額と出荷数量について調べたことをご紹介しています。今日は、月曜日にご紹介した「出荷」と「純出荷」との関係で、特異的であった無溶剤型塗料について調べたことをご紹介します。何が特異的かと言えば、「出荷」と「純出荷」の乖離があまりにも大きかったことです。下図に無溶剤型塗料および塗料+シンナーの出荷数量と金額について、「出荷」と「純出荷」の推移を示します。

無溶剤型の「出荷」と「純出荷」の乖離はすさまじくなっています。この無溶剤型塗料は、二つの塗料種から構成されており、ひとつは粉体塗料、もうひとつはトラフィックペイント(路面標示塗料)です。乖離の原因を明らかにするために粉体塗料と路面標示塗料のそれぞれの「出荷」と「純出荷」の推移を下図に示します。

あまりにも対照的な図になりました。粉体塗料は「出荷」と「同業者向け出荷」が増加、「純出荷」が減少と両極端な傾向にあることがわかりました。一方で路面標示塗料は、「出荷」と「純出荷」がほぼほぼ一致しています。

明らかに無溶剤型塗料の「出荷」と「純出荷」の乖離の要因は粉体塗料であることがわかりました。粉体塗料は一般の液状塗料とは全く異なる製造方式を取りますので、こうしたことは不思議でも何でもないのですが、タイトルに不思議と書いたのには訳があります。それは2019年以降、同業者向け出荷数量・金額が、純出荷数量・金額を上回っていることです。A社が製造し、それをB社に出荷し、B社がそれを使用者であるC社に出荷した場合には、「同業者向け出荷」=「純出荷」となります。「同業者向け出荷」>「純出荷」ということは、さらに複雑な流通経路となり、同業者向け出荷が繰り返されている可能性を示唆しているように思われます。

今週は日ごろ目にしている塗料関係の統計数値に潜む疑問点をいくつか調べてきました。明日はその最後として、「生産数量」と「出荷数量」の差異について、「出荷」と「純出荷」の差異と比較してみたいと思います。

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