かんとこうブログ

9月29日に日系自動車メーカー8社から8月の生産台数が発表になりました。あえて一斉にと書かなかったのは、会社によって多少時間差があるからです。最も早いのはトヨタ（ダイハツ含む）です。いつも午後一番には発表されます。あとは3時をめどに発表されています。最も遅いのが決まってホンダです。なかなか夕方5時までには発表されません。というように発表時間は少し差がありますが、同じ29日には発表されました。発表は毎月最終営業日の一日前と決められています。

さて今回の発表について報道各社の見出しは以下のようになりました。

上二つだけ見ると，ようやく自動車生産も本格回復して順調に生産が進んでいるという感じになりますが、一方で海外関係の不安要素が散見もされています。中国の販売不振、英国・タイでの生産減少などです。今回各社の発表を見ても手放しで順調という会社ばかりではありません。まず生産台数の前年比、前々年比のグラフからご覧ください。

前年同期比では、国内生産において3社が前年割れ、世界生産においても4社が前年割れとなりました。さすがに前々年比においては、不振だった2021年との比較ですので、大幅アップの会社も見られますが、昨年と比較した前年比では総じて表現すれば前年比100％前後にばらついているという表現になります。

下は8月の生産台数と過去4年の月平均生産台数の比較図です。黒い横点線が8月の台数レベルを示しています。

8月の生産台数が過去4年のレベルすべてを上回っているのは、国内生産ではスズキのみ、世界生産ではトヨタのみであり、あとは2019年の月平均生産台数を上回れていません。つまりコロナ前には回復していないということです。

今年に入ってからの各月において前年同月比を上回ったのか下回ったのかという図を書いてみました。白い月が前年越え、薄赤色の月が前年割れです。

こうしてみると全8社がすべて前年越えだったのは5月だけであとはいずれかが前年割れになっています。会社別ではすべて前年越えだったのは、国内生産台数トヨタと日産、世界生産台数のトヨタだけでトヨタは盤石の復調ぶりのようです。1月～8月では、国内生産台数では前年越え比率が75％、世界生産では63％ですので、決して悪くはないもののその回復度合は各社各様と評すべきではないかと思います。

最後の各社の生産台数の推移を示して終わりとします。図中の横点線は過去4年間の月平均生産台数です。個々にコメントしませんが、一部を除きコロナ前への道のりはまだ遠いようです。