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かんとこうブログ

2024.01.19

経産省確報2023年11月度・・このままいくと2023年度の数量は2018年度から10万トン減少します

昨日日塗工から、2023年11月度経産省確報を受領しました。組合員の皆様にはすでにお送りしていますが、例月のように、主要品目別の単価動向を中心に補足データをご紹介します。

今回の確報について端的に要約するとすれば以下の2枚のグラフです。すなわち出荷数量と出荷金額についての過去6年間の動向です。左図の出荷数量において、2023年度(赤い太線)はこのところ、2021年度、2022年度とならび最低レベルを推移しています。一方右の出荷金額において、2023年度は2018年度~2022年度のすべての年度を上回る水準で推移しています。毎月同じことを書いていて恐縮ですが、金額だけで見ていると今の現状の厳しさがわかりません。数量について2018年度との毎月の差をグラフから読み取ると約1万トンにもなります。年間換算では10万トンを超える勢いです。社会はコロナ禍前に戻ったかに見えますが、こと塗料需要に関する限り、いまだにコロナ禍と何ら変わりないという事実を重く受け止める必要があります。

出荷数量の減少=需要の減少というのはいささか早計であるとの指摘は甘んじてうけましょう。数量がコロナ禍前に戻らない一因にはCO2問題、すなわちユーザー側における塗着効率の向上努力があるのかもしれません。しかしそうだとしても出荷数量が減少したまま戻っていないことに変わりはありません。昨日、一昨日とブログに掲載した5年間のデータを見ても、経産省の品目別統計において出荷数量が増加傾向にあるのは電気絶縁塗料1品目のみで、あとは全てが減少傾向でした。すべての品目で単価が上昇しているにも拘らず、出荷金額についても増加傾向と減少傾向が10品目ずつで相半ばしていました。コロナ禍を機に需要構造が変化している可能性はないのでしょうか?業界団体で働く身としてはとても心配しています。

主要品目別の単価動向については特に大きな動きはありません。ここ半年ほど高止まりあるいは微減と言った動きになっており、11月度もその傾向は変わりません。11月度の単価指数(2021年1月=100)は、塗料で120前後が多く、シンナーでは138となっています。詳細は以下のグラフをご覧ください。図中の数字は11月度の単価指数です。

原油、ナフサ、石油製品(ガソリン、灯油・・揮発油税抜きで計算)の動向は下図のようで、原油は下がってきていますが、ナフサは依然高止まりで、価格指数(2021年1月=100)は200を超えたままさがりません。

主要品目ごとの指数、単価の上昇幅については下表と下図をご参照ください。傾向はこれまでとほぼ変わっていません。価格上昇幅の大きいものはアミノアルキド樹脂塗料、粉体塗料、アクリル樹脂塗料(常温乾燥)の順でした。単価指数の大きい順では、シンナー、アミノアルキド樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料の順でした。

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