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かんとこうブログ

2024.02.14

アジアにおけるサプライチェーンのシフト 中国からインドへ

2月7日にネット配信されたCoatings World誌の記事の中に、掲題の記事がありました。世界に対し圧倒的な材料供給を行ってきた中国で起きているさまざまな出来事から見えるサプライチェーン変化が丁寧に説明されていました。オリジナルの記事に十分敬意を表しつつ、グーグル翻訳を手直ししたものでその内容をご紹介し、さらに少しだけ追加的な情報も合わせてご紹介したいと思います。

今日は、記事のほぼ全文の(グーグル翻訳+手直し)したものを掲載させてもらいます。そこへ要約的文章を追加するという形でご紹介します。記事のタイトルは以下になります。ここで「東南アジア」とは記事の中ではインドも含んでおり、正しくは「南および東南アジア」と書くべきかと思います。

以下が記事の内容ですが、冒頭にこの図があります。この図は2000年以降の米中貿易の推移を示していますが、常に対米輸出が対中輸出を大幅に上回っており、かつ2018年のトランプ大統領が課した関税によりいかに対米輸出が打撃を受けたかがわかります。これを頭において以下の記事をお読みください。

全体の要旨は①②に述べられている通り、「これまで中国はグローバルサプライチェーンのリーダーとして世界に君臨してきたが、このところ転換期を迎えており、今後はインドをはじめとした南/東南アジアへサプライチェーンの中心が移行していくのではないか」ということです。

③ではこのところ中国が潜在的に抱えてきた問題が目に余るようになってきていること。④では、パンデミックによりそうした問題がより顕在化したこと、米中貿易では、不均衡が拡大し、中国からの輸出が米国への輸出を大きく上回る状態となっていたことが述べられています。

さらに⑤では中国のみが自国への輸入品に対し関税をかけている状態が長年放置されたこと、⑥では、中国国内では中国企業に対する強力な政府の補助があり、それにより多くの産業分野で中国企業の競争力が向上した事実を挙げています。⑦ではこうしたことに対応するため、2018年に米国が中国品に対し関税を設定したこと、中国依存に対するリスクが喚起されるようになったことが述べられています。

⑧には、中国国内で起きている人件費の高騰や社会生活の変化によって、輸出中心から輸出と国内消費が均衡する状態となったこと、⑨ではパンデミックにおける供給不足を通じて、中国から供給をうけることの不合理さがより明確になったことが挙げられています。

その結果として、中国で起きている最近の出来事と動きを具体的に指摘し(右の表1)、世界は中国への依存度を下げる方向げ動いており、南/東南アジアへのシフトが進むと予測しています。

中国経済の失速は間違いのないところであり、2023年のGDPについても5%前後という政府の発表は、信頼性が低く、実質マイナスであろうという意見が多くあります。また米中貿易についても、アメリカの輸入金額の第1位が中国からメキシコに代わったことも報じられています。

確かに全般的な流れは脱中国依存と言うことに対し異論はありません。しかし、もう一つの要因を忘れてはならないと思います。それは資源です。中国がここまで世界のサプライチェーンの中心たり得た要因のひとつは、国内で豊富な鉱物資源が得られることでした。下図は、2023年のIEAの世界経済見通しの中で示されていた「クリーンエネルギーのための資源の寡占化」と言う図です。8つの品目・項目のうち7つにおいてオレンジ色の中国の存在は非常に大きいことが解ります。果たしてインドや他のアジア諸国にそこまでの資源が存在するのか?という点は気になるところです。

とは言え、中国依存からの脱却はもはや止めることのない必然であり、この動きに立ちはだかる資源の壁をブレークスルーするためには、中国資源に異存しないテクノロジーを開発するしかないのではないかと思っています。

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