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かんとこうブログ

2024.03.25

まだまだ上がる原料もある?・・経産省確報にみる塗料原材料の価格動向

先週は経産省1月度の確報による塗料種別単価推移情報をお知らせしましたが、今日は同じ経産省1月度確報から計算した塗料原材料単価の推移に関する情報をご紹介します。塗料原材料も化学製品であり、経産省の生産動態統計調査(確報)の調査対象であり、出荷数量と出荷金額から単価を計算することができます。早速樹脂原料からご紹介していきます。

前月から見ると、3%以上の価格変動は、メタクリル酸エステルとエピクロルヒドリンの価格上昇、スチレンモノマ―の価格下降でした。続いて溶剤です。

溶剤における前月比で3%以上の価格変動は、キシレンの価格上昇、ブタノールの価格下降でした。続いて顔料です。

顔料における前月比3%以上の価格変動は、酸化第二鉄の価格上昇だけでした。アゾ顔料、フタロシアニン顔料は変動幅は大きいのですが、単価が高いため上昇率としてはそれぞれ2%程度となりさほど大きな変動幅にはなりません。最後に塗料用樹脂です。

樹脂における前月比3%以上の価格変動は、メラミン樹脂の価格下降だけでした。エポキシ樹脂は10円/Kgを超える価格上昇でしたが、これも2%を上回る程度の上昇幅になります。

前月から3%以上価格が変動した原料について、出荷数量と金額の推移をグラフにしてみました。

価格が上がった原料の中で、キシレンは数量がほとんど同じなのに金額が明らかにアップしています。つまり単価が上がったことが原因であることがわかります。その他の3品目はいずれも数量、金額とも下降する中での単価上昇であり、価格の下降率よりも数量の下降率が大きかったことによる単価上昇と判明しました。

一方価格が下がった原料の中ではスチレンモノマーとブタノールが数量上昇、金額下降でいずれの要因も単価下降方向でした。酸化第二鉄については両者下降のなかでの単価下降でしたので、金額ほど数量が下がらなかったことが要因と判明しました。

単純に数えると価格が上昇した原料が13種類、下降した原料が10種類で、やや価格上昇が多数を占めました。

2024年1月の単価指数(2018年1月=100)を低い順にならべてみました。全体の指数値の平均は145.5で前月より1.8上がりました。(下図)

最も高いトルエン、キシレンは200を超えており、高い指数の原料は粗原料が石油関連のものが多くなっています。指数の平均値の推移(上右図)は、まだまだ塗料原材料が上昇し続けていることを示しています。

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