かんとこうブログ
2024.05.16
それではウクライナは?・・自動車販売台数からみたウクライナ経済
昨日ロシアの自動車販売台数の推移から、ロシア経済の状況を考察し、西側の経済制裁にもかかわらずしたたかに経済が復興している状況をみました。となると一方のウクライナはどうなのか気になるところです。実はウクライナの自動車販売台数は1万台/月以下でありフォローしておりませんでした。マークスラインのサイトから調べることは可能ですので、同様に調べてみました。ロシアとの比較で販売台数の推移、前年同月比の推移をご紹介します。
上がウクライナ、下がロシアの販売台数推移です。ウクライナ侵攻後の推移に注目すると同じような回復基調にあるように見えます。しかしながら最新の数値(2024年4月の台数でみると2021年までのレベルを基準とするとロシアに比べ回復が遅れていることがわかります。続いて販売台数の前年同月比%の推移です。
比較しやすいように縦軸を同じにしてあります。ここでも似たような推移、すなわちウクライナ侵攻後の大幅な落ち込みとその1年後からの回復という大筋では同じですが、ロシアに比べて回復の勢いがありません。もう少し細かい時間スパンで見るとより違いが判ります。
左が2022年の推移、右がⅡ023-2024年の推移です。2022年のグラフからは侵攻直後の3月4月いかにウクライナの販売台数がほぼゼロに近い数字になったことが解ります。ロシアも落ち込んではいますがウクライナほどではありません。しかしその後2022年後半の推移は両国とも似たようなものになっています。
2023年初めのウクライナの大幅な回復も実は前年同月が-90%であるため、計算しても前々年比は70%程度に過ぎません。注目すべきはそこではなく、2023年後半から2024年にかけてであり、ロシアの回復がウクライナを上回っています。これはやはり国土が戦場になっている国とそうでない国の違いだと思われます。
参考までに両国の実質GDP(いずれもIMFの推計)を示します。世界経済のネタ帳のグラフを引用させていただきました。
https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDP_R&c1=UA&s=&e=
https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDP_R&c1=RU&s=&e=
やはり戦場になっている国となっていない国、国の規模の違いがあるのでしょうか?理不尽な現実です。