かんとこうブログ
2024.07.26
「かくトラ」への懸念
アメリカの大統領選挙は、今集はじめにバイデン大統領が候補者からの撤退を表明しハリス副大統領が後継に指名されました。すでに「ほぼトラ」から「かくトラ」になったとも言われている大統領選挙ですが、移民や関税といった政策もさることながら、環境問題でも極めて重要な影響がでるのではないかと大きな懸念があります。当ブログに政治的なことを書くことは控えるべきと思いますが、環境問題への懸念として是非みなさんに知っておいていただきたいことを書いておきたいと思います。
懸念する環境問題とはCO2問題です。下図はIEA(国際エネルギー機関)が発表した2022-2023にかけての世界のCO2排出量の増減を表しています。発電、輸送、工業生産、建設の分野ごとに排出量の増加と減少を集計したものです。
大まかに言えば、アメリカを含む先進国では減少、新興国では増加です、そしてアメリカはヨーロッパ全体と同じくらいに多くのCO2を減少させています。トータル収支で言えばそれでも新興国、特に中国の石炭火力発電によるCO2排出の増加によって全世界としてはまだ増加が減少を上回っているのが現状です。
2022-2023年にアメリカのCO2排出量が減少したのは、トランプが離脱したパリ協定にバイデンが復帰させたおかげです。そしてトランプは今でもCO2による地球温暖化はフェイクであると主張し、先日の銃撃後の演説でも「石油や石炭を掘って掘って掘りまくれ!」と叫んでいました。
アメリカ社会が再びCO2削減に背をむけることは、今や瀬戸際にまで追い込まれた温暖化抑制目標達成の可能性を完全にゼロにすることに他なりません。この問題は世界にとってアメリカ一国の移民や関税に比べて比較にならない大きな問題なのです。誰かがトランプの首に鈴をつけてくれることを祈らずにはいられません。