かんとこうブログ
2024.08.19
経産省確報6月の結果・・数量、金額とも前年割れ
先週、日塗工から6月度経産省確報を受領しました。先行して報告されていた業況観測アンケートや速報の結果と同様に6月は数量、金額とも前年を大きく割り込みました。
下図の過去5年間との対比で見てもらうと、数量については過去5年間で最低だった2020年の数値を下回り、金額については前月まで昨年を上回って過去5年間のどの年よりも高かったものが、6月は昨年を下回るようになりました。
こうした統計数値についてはすでに組合員の皆様へはFAXで送付しておりますので、そちらをご覧いただくか、日塗工のホームページよりご参照ください。
以下は例月のように主要品種の単価動向についてグラフを示します。図中の数字は2021年1月の単価を100とした時の2024年6月の指数値です。
アミノアルキド樹脂塗料とアクリル樹脂塗料(常乾)は、なかなか単価の上昇が止まりません。アクリル樹脂塗料(焼付)とエポキシ樹脂塗料はこのところ、少し価格が低下傾向にあります。
ウレタン樹脂塗料は、今月こそ下向きになりましたが、果たしてこのまま低下傾向が継続するかはわかりません。溶剤系塗料全体では、少し頭打ち傾向であるように見えます。エマルション塗料は、2021年以降で4回目の価格上昇期が終わり、少し低下する時期にきているのかもしれません。
路面標示塗料は価格上昇が他の塗料に比べると低めに推移してきたのですが、ここへきてまた価格が下がりました。粉体塗料、その他塗料、シンナーはいずれも上昇傾向が続いています。シンナーについては、ナフサの価格指数に比べるとまだまだ低い数値であることも上昇が止まらない要因かと思われます。
原油はこのところ150前後で推移していますが、ナフサは再上昇中で現在指数値が244と高い数字になっています。ガソリンと灯油の価格についてはいまだに政府の補助が継続中ですので低めに抑えられています。
2021年1月からの価格、および指数の上昇幅のグラフを示します。
指数の上昇幅が大きい順に並べると、シンナー、アミノアルキド樹脂塗料、エマルション塗料、エポキシ樹脂塗料、その他塗料、粉体塗料、水系樹脂全体、溶剤系塗料全体の順となります。一方価格そのものの上昇幅が大きい順では、アミノアルキド樹脂塗料、粉体塗料、その他塗料、アクリル樹脂塗料(常乾)、ウレタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料といった順番になります。
明日は塗料原材料の価格動向を経産省確報の数値から考察します。