かんとこうブログ
2024.09.05
やはり8月も暑かった・・全国10都市の気温
9月1日に、6-8月の平均気温が昨年とならび過去最高であったと気象庁から発表がありました。ここでいう平均気温とは、全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく選出した 15 地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬及び石垣島)の平均気温です。つまり都市化の影響をあまり受けていないと考えられる地点をわざわざ選んで統計を取っているということなのです。
そうした都市化の影響をあまり受けていない地点の平均気温ですので、東京などの大都市圏に比べれば一般には低いのではないかと推定できます。そこで毎月ご紹介している各地域の主要都市の平均気温をご紹介しながら、冒頭ご紹介した15地点の平均気温と比較してみたいと思います。
とりあえず例月のように8月の日毎平均気温とその平年値の推移です。
今月はこれまでと大きな違いがあります。それは日毎平均気温が平年値を下回るケースがほとんど見られなかったということです。仙台では31日全てで平年値を上回りました。これまでのように出入りの激しい推移ではなく、平年値を安定して上回っていたということができます。月末の台風10号がなければ、もっと平年値を上回る日が増え、平年値との差も大きくなったと思われます。
もちろん日毎平均気温だけが高かったのではなく、日毎の最高気温も、最低気温も高い8月でした。各地点の日毎の平均気温、最高気温、最低気温と平年値を上回った日数を図示します。
8月の特徴は上述したように、平年値を上回る日数が多かったことです。月末に襲来した台風10号がなければさらに増えたことは確実です。図中に点線はそれぞれ尾の平均値を示しています。10都市の平年値との差の平均値は日毎の平均気温が2.00℃、最高気温が2.16℃、最低気温が2.04℃でした。また平年値越え日数は日毎の平均気温が28.4日、最高気温が26.4日、最低気温が29.1日とこれまで調べてきた中で最多日数となりました。
8月を含めて直近3カ月では、平均、最高、最低気温の平年値との差、平年値越え日数は下表のようになります。
一見して今年の7月と8月が暑かったことが割ると思います。少し意外ですが、平年値との差で見ると7月の方が8月とよりも少しだけ暑かったようです(下図)。これも台風10号がこなければまた違った結果だったかもしれませんが・・
さてここまでお付き合いいただきありがとうございました。最初の話に戻りましょう。全国15地点の6月から8月の平均気温の平年値との差が1.76℃であり、昨年と並び過去最高だったという話です。ここで見てきた全国10都市の6月、7月、8月の平均気温の平年値との差は、それぞれ、0.87℃、2.21℃、2.00℃となります。ここから各月の日数まで考慮して6月~8月の平均を求めると1.70℃となりました。
なんと意外なことに都市化があまり進んでいない15地点と大都市の多い10都市の平均は、10都市の方がやや平年値との差が小さいという結果になりました。しかしながら、いずれも1.7℃以上の大きな数値です。現在使用している平年値は1991~2020年までの30年間の平均です。あえてその中間年を求めると2005年になります。現在が2024年ですので、いわば19年間で1.7℃も上昇したということになります。もちろんこうした気候は毎年変動しますので、このまま上がり続けることはないとは思いますが、ここへきてさらに温暖化のペースが上がっているように感じられてなりません。