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かんとこうブログ

2024.09.20

グリーンフラッシュについて

先日、世界遺産の紹介番組をみていると小笠原諸島の絶景スポットの中で「緑の太陽」と言う言葉がでてきました。日没または日昇において、太陽のほんの一端が水平線(地平線)から顔を出している状態のその一瞬、太陽が緑の光を放つことを指し、グリーンフラッシュ(緑閃光:りょくせんこう)と呼ばれているそうです。よほど条件が整わないと観察されないそうですが、どうして太陽が緑に見えるのか不思議に思いましたので調べてみました。ご紹介する内容は主としてウエザーニュースのサイト(下記URL)からの引用です。

https://weathernews.jp/s/topics/202308/180255/

    

まず論より証拠で、グリーンフラッシュの写真をご覧ください。

   

   

ネット上ではこれ以外にもいくつか写真が載っていましたので、ご紹介しておきます。

   

   

さて、このグリーンフラッシュがどうしてみられるのかを説明したいのですが、少し遠回りをして順番に説明する必要がありますので、お付き合いください。

   

太陽の光は、プリズムで分光するといろいろな波長の光が含まれていることがわかります。波長と色の関係は虹の並び方をしており、波長が長い順に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫となります。また、光は波長が長く赤っぽいほど直進性が高く、波長が短く青っぽいほど散乱して曲がりやすいという特徴があります。これが話の前提です。

   

グリーンフラッシュを説明するのはまず夕日がなぜ赤いのかを説明する必要があります。下図をご覧ください。

   
   
夕日が赤く見えるのは、夕方において太陽の光が昼間よりも長い空気の層を通過してくるためであり、長い空気の層を通過する間に、波長の短い光から順番に散乱してしまい残った光が赤っぽいものになってしまうからです。しかし、これだけでは、グリーンフラッシュが観察されることはありません。グリーンフラッシュが起こる理由は下図で説明されています。
   
   
グリーンフラッシュは、主に真ん中の四角の中に書いてあります。散乱せずに残った光のうち赤っぽい光は直進性が髙いのに対し、緑の光はやや屈折するために、沈みみゆく太陽の最上部のみが見えている状態では、曲げられた緑の光だけが見えるのだと説明されています。説明の下の図は、この説明に合わせて私が描いたものです。手元のツールでは限界があって思うような図にはなっていませんが、理解の一助になればと思います。
  
このグリーンフラッシュは、右の四角に書かれているように、天気や視程が良いことや、空気が澄んでいて緑の光が散乱されにくいことなどの条件が整わないと見れません。冒頭ご紹介した写真の撮影地は北海道や沖縄、小笠原などですので、空気がきれいなことが必要と思われますので、日本全国どこでもで観察できるというものではないようです。
   
グリーンフラッシュを調べているうちに、太陽以外でも観察されることがわかりました。天文学系の「SORAE」さんのサイト(下記URL)から引用させてもらいます。

https://sorae.info/astronomy/20201125-green-flash.html

   

   

月、金星、水星でも見られるとのことでした。このグリーンフラッシュも同じ現象であり、水平線や地平線付近で観察されます。

  

2020年11月には東京の府中でも観測されたという情報もありました。ほんの一瞬の緑の閃光、きっと感動的なことでしょうから、確率は極めて低いとは言え、日没や日の出を見る際、太陽が沈みゆく、あるいは上りくる瞬間にグリーンフラッシュを想定しながら注視するのもよいかもしれません。

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