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かんとこうブログ

2024.10.03

OECD世界経済見通し・・昨日の続き

OECDの「世界経済見通し」の中に書かれている日本に関するグラフをご紹介していきます。最初は、実質賃金および賃金上昇率と食品価格上昇率との差についてのグラフです。

左が2019年第4四半期(コロナ前)=100とした時の2024年第2四半期の実質賃金です。日本は残念ながら98前後でした。但し2023年よりは上昇しています。左は賃金上昇率と食料品価格上昇率の差異です。アメリカのインフレが盛んに報道されていましたが、アメリカは賃金の上昇も大きく、食品価格と賃金の上昇率の差でみるとアメリカやオーストラリアは差が小さく、日本や欧州は大きくなっています。日本は物価上昇率と賃金上昇率の差が12%も開いていますが、こういう話はあまり聞いたことがなかったように思います。

次は求人についてです。日本では今や深刻な人材難ですが、世界はと見ると全然違っているようです。

欧米諸国は2021年第1四半期に比べると求人が少なくなっており、日本と韓国は異質な動きとなっています。失業者あたりの求人数(求人倍率)で見ても同様な結果でした。外国人労働者の割合が関係しているかもしれません。

さらにもうひとつ日本が欧米と大きく異なっていたことをご紹介します。それは住宅の取引件数です。

ここでも2022年第1四半期以降欧米や韓国では、住宅取引が減少しているのに、日本では増加しています。背景にはいろいろなものが考えられますが、報告書では特に言及されていません。

次はサービス提供についての価格上昇率についてです。

日本は図に示された国の中で唯一、サービスのインフレ率が中央銀行のインフレ目標を下回りました。奥ゆかしいと言えばよいのかもしれませんが、日本のサービス業の生産性の低さを物語っているようにも感じます。

さてそのインフレ目標に関わる政策金利ですが、ご承知のようにこれも日本は世界と全く異なる動きになっており、報告書本文にも記載がります。

欧米ではこれから金利を下げていこうとしているのに日本は逆に上げようとしていると書かれていました。上図の右の文章)

最後に市場の規制緩和に関してのグラフもありました。グラフを2つご紹介します。

日本はアメリカと中国の間という微妙な位置にありました。思っていたより悪くないのではと思いました。これについて本文にこんな説明がありました。「ブラジル、インドネシア、ドイツ、日本は、この期間に競争を強化する構造改革を実施しました。しかし、最近の各国競争自由度の進展は特定の分野に限定されており、さらなる改革から大きな恩恵を受けるであろう経済の重要なセクターがあります。」まだ不十分なところがあると言われているようです。

最後はサービス業における競争の自由度についてです。

これも意外に良いのではないかと思いました。ですが、サービス提供のインフレ率が低いこととも関係があるのかと思うと少し複雑な気持ちになります。以上、世界各国との比較による日本の現況認識でした。

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