かんとこうブログ
2024.10.07
内閣支持率に隠された秘密
先週末に早くも多くの報道機関で石破内閣に対する支持率の調査が行われ、ざっと調べたところでは、支持率が46~51%であったようです。過去の内閣との比較も行われていたようですが、個人的に前から気になっていた「過去の内閣ではどのように推移したのか?」を調べてみました。支持率が最初だけ高くて徐々に低下していき、最後はとても低い数字になるというイメージがありますが、実際どうなのか確かめてみたということです。
過去の内閣について、支持率調査の数字を詳しく載せているサイトがなかなかみつからず、報道ステーションのサイト(下記URL)に竹下内閣以降の毎月の支持率のグラフがありましたので、これを使わせてもらうことにしました。
https://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/202409/
すこし図が小さくなって申し訳ありませんが、各内閣の支持率と不支持率の推移を下図にまとめてみましたので、ご覧ください。赤い太線(自民党以外は青線または紫線)が内閣支持率の推移、赤い丸(自民党以外は青丸または紫丸)はその内閣の最高支持率を表しています。
基本的にそれぞれの内閣を時系列で並べていますが、小泉内閣と第2次以降の安倍内閣は長期にわたっているので他の内閣よりも縮小して最後に載せています。ざっと見てもらうと、やはり最初が高くてだんだん低下し、最後はかなり支持率が低くなっている場合が多いことに気付かれると思います。実際一覧表にまとめてみるとそういうケースが多くあることが明確になります。
黄色く色をつけたのは、就任時支持率=最高支持率であった場合で、全21内閣のうちの11が該当します。最高支持率の右の欄の数字は、最高を記録した支持率調査が就任後何回目だったかを表す回数で、実質的には内閣成立後の月数です。そして重要な情報としては、就任時支持率=最高支持率の内閣は、すべて2年以内に退陣していることがあげられます。
就任時支持率が高くともそれを維持できなければ長期政権は維持できないということです。第1次安倍政権、鳩山政権は就任時の支持率が70%を超えていましたが、半年たたないうちに50%を下回りました。第1次安倍政権の場合、短期で退陣せざるをえなかったのは主に健康上の理由であったとしても結果的には短期で終わっています。
小泉政権と第2次安倍政権は最近では珍しい長期政権でしたが、共通して言えるのは就任時の支持率が高く、それがなかなか急落せず、50%前後のところで長期間踏みとどまっていることです。逆に最初だけ高支持率ですぐに50%を割り込み、早々の危険ラインと言われる30%を下回るようになると退陣は近いということになります。21内閣のうち退任時の支持率が30%以下の内閣が12ありました。やはり30%は危険ラインと言えそうです。
今回調べた中で最も異質だったのは海部内閣でした。就任時よりも退任時の方が支持率が高くなっていました。また細川内閣も退任時の支持率が66.3%もあり、国民の2/3が支持しているにも拘わらず退任したことになります。小渕内閣もむしろ後半の方が支持率が上昇していました。
とここまで書いてきておきながら、お詫びをしなければなりません。実は報道ステーションの新内閣に対する支持率調査はまだ行われていません。このため石破内閣の支持率を過去の内閣の最初の支持率と比較することができません。こうした内閣支持率調査結果は、実施する機関ごとにばらつきがあるのも事実です。2024年8月の岸田内閣支持率調査の一覧を下に示しますが、最高31%と最低19.4%と最高と最低では10%以上異なっています。すでに実施された結果からみて石破内閣の支持率は40~50%あたりとは思いますが、まだ報道ステーションの調査結果はでておりません。
ですが、ここで申し上げたいのは、内閣支持率というのは最初の支持率だけが重要なのではなく、2回目、3回目の数字も非常に重要であり、是非継続的に支持率を見るようにしていただきたいということです。前例を見るかぎり、どこかで支持率を盛り返した内閣は長期化できる可能性があり、最初の高さよりも持続性が重要だということです。
(下表は以下のサイトから引用させてもらいました。https://www.realpolitics.jp/research/)