かんとこうブログ
2024.11.11
木枯らし1号、今年は東京、大阪同日で記録!
11月7日に、東京と大阪で木枯らし1号が記録されました。昨年、一昨年と当ブログで取り上げていますが、取り上げた理由のひとつは、2021年、2022年と2年連続で東京では「記録なし」に終わったためです。2018年、2019年も「記録なし」でしたので、温暖化の進行とともに木枯らしが吹く時期は遅くなっているのではないかということが懸念されたからです。去年今年と2年連続で記録されて一安心ではありますが、もう一度木枯らし1号の定義や、1991年以降の、木枯らし1号の記録についてご紹介したいと思います。下記の内容は2022年11月の記事の内容もとに書き直したものです。
木枯らしとは、秋から冬にかけて吹く冬の到来を告げる北よりの風を意味します。一方「木枯らし1」号は、正式に記録されているのは関東(東京)地方と関西(近畿)地方だけであり、したがってそれ以外の地域では記録も報道もされていないということです。さらに面白いのは東西で認定基準が異なっていることです。以下の「木枯らし1号」の判定基準を示します。気象協会のサイト(下記URL)から引用しました。
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2022/11/14/20491.html#sub-title-a
一番の違いは認定の時期で、東京の方が早めの観測次期となっており、12月以降はいくら吹いても「木枯らし1号」とは認定されません。一方近畿では12月の冬至まで期間が延長されています。これは冬の到来が、東京の方が早いことに由来すると思われます。もうひとつ重要な点は、東京の場合には東京の風速が規定以上という条件であることです。東京地方のどこかで風速が上回っても認定の対象にはならず、東京大手町の東京観測地点で最大風速が8M/sを超えていなければ認定されないということです。(最大瞬間風速ではなく最大風速です)
一方、近畿の場合には近畿のどこかで基準を超えていればよいようです。2022年11月11日の近畿地方の最大風速は大阪6.0M/s、神戸9.4M/s、和歌山6.4M/s、京都5.5M/s、彦根11.1M/sでした。大阪は6.0M/sですので東京の基準であれば認定されないことになります。
現在の基準に変更されたのが1991年ですが、「木枯らし1号」が記録されなかった年が何年かあります。東京地方で言えば、2018年、2019年、2021年、2022年です。「記録なし」がここ最近に集中していることを見るとやはり温暖化の影響があるのかと思われます。そこで1991年以降の「木枯らし1号」が記録された日をグラフ化してみました。データはウイキペディアから引用しました。因みに、近畿地方では、「記録なし」が1992年のみ、また木枯らし1号が12月に記録されているのが2000年、2003年、2005年と3回あります。
この図を見る限り、特に木枯らし1号の記録される日が年々遅くなっているという傾向は認められません。幸いというか、昨年、今年と無事に木枯らし1号が記録されました。この冬の到来を告げる風物詩、今後しばらくは続いてほしいと思っています。