かんとこうブログ
2024.11.13
TOP3の2024年第3四半期の決算状況
一般に決算の発表は、海外の方が早く、当該決算期終了後2か月以内には発表されます。日本はというと2ゕ月と10日前後が多いように思います。ともあれ塗料における世界のTOP3の2024年第3四半期(1月~9月)の結果をご紹介します。売り上げの多い順に紹介していきます。
最初はSherwin Willams(下記接続先参照)です。
Sherwin Willlamsについては、毎回主力である北南米4000店舗ある直営店事業(ペイント店G)の盤石の強さを驚嘆しつつ書いていましたが、今回は売上こそ微増でしたが、部門利益は前年同期を下回りました。これはほとんど記憶にありません。何が悪かったかを右の表でみるとDIYが前年比マイナスでした。
これに対して毎回苦戦している消費者ブランドGは、売上こそ前年比マイナスですが、部門利益は大幅増となりました。理由がよくわかりません。通常はありえないことです。この分門では北米が前年比マイナスでした。
旧バルスパーの機能性塗料Gも売上、EBITDAともマイナスでした。自動車補修、一般工業が前年比マイナスだったようです。全体としては、第3四半期、1~3までの通期とも売上微増、EBITDAは横ばいというところでしょうか?
続いてPPG(下記接続参照)です。
3Q 2024 PPG Earnings Presentation
PPGも売上微減となりました。税引き前利益は微増でした。目を引くのは工業用の不振です。右の総括で自動車OEM(新車)一般工業含む工業全体の不調で汎用と航空宇宙、包装のプラスが相殺されたとあります。工業用は1~3Qの通期でも売上、EBITDAとも前年比マイナスになりました。
PPGの分野別状況、より詳しくは下表をご覧ください。
最後にAkzoNobel(下記接続先参照)をご紹介します。
Investor update Q3 2024 |
AkzoNobelは残念ながら全社、両部門ともすべて売上、EBITDAとも前年比マイナスとなりました。第3四半期だけでなく、2024年1~3Q通期でも前年比マイナスとなりました。今年の目標の下限にむかって進行中のようです。(右のまとめ参照)
下図は第2四半期の時にもご紹介した価格と数量の四半期ごとの推移のグラフです。
上図上段が価格、下段が数量です。
全体の傾向については、昨年後半から価格も数量も落ち着いています。前回、第2四半期について、コロナ前からみて2024年の水準がどこにあるかを計算(各年の第2四半期の数値を累積)して、2019年に比べて価格が+26.7%、数量が-5.1%であることがわかりました。今回も同様に第3四半期の価格と数量の対2019年比を計算すると価格が+27.9%、数量が-7.1%となりました。売上は数量×価格なので、204年の売上は2019年に比べて+18.8%ということになります。
コロナ禍前に比べ、金額は増、数量は減というのは日本のみならず世界的なものかもしれません。