かんとこうブログ
2024.11.14
日の入時刻と1月1日の決まり方
11月に入り日没が早くなり日が短くなったと感じられている方も多いと思います。昼の長さが最も短い冬至は、まだ先で、今年は12月21日です。となると日の入はまだまだ早くなるのかと思われている方、そんな心配はいりません。
今日、11月14日の東京の日の入は16時35分ですが、一年で最も早い東京の日の入時刻は16時28分ですので、もうほぼほぼ、最も早い日の入時刻になっているのです。何で?と不思議に思われるかもしれませんが、下表を見ていただくと日の出、日の入、昼の長さはそれぞれバラバラな変化の仕方をしていることがわかります。
今年の11月から来年の1月中旬までの、日の出、日の入時刻、南中時刻、昼の長さ(分)を示しています。昼の長さ以外は国立天文台のサイトからの引用です。昼の長さは手元計算で、昼の長さ=日の入時刻-日の出時刻としています。
昼の長さが最も短いのは、分単位表示でみれば12月18日から26日までの585分(9時間45分)です。一方、日の出が最も遅いのは来年1月1日から13日までの6時51分、日の入りが最も早いのは11月28日から12月12日までの16時28分です。ですから冬至の12月21日は、日の出が最も遅い日でもなく、日の入が最も早い日でもないということ、そして、11月中旬は、一年で最も日の入が早い季節と言ってもいいくらい日の入が早いということなのです。
どうしてこんなややこしいことになるかというと、大まかに言えば、地軸が公転面に対して23.4度傾いていることと、公転軌道が円ではなく楕円形であることが主な理由になります。詳しくは弊ブログ(下記接続先)をご覧ください。
来週は 1 年で日の入が最も早くなります(ほぼ再掲) | かんとこうブログ | 関東塗料工業組合
ところで、こうして見てくると、1年の始まり1月1日は太陽に関して何ら特別な日ではないようです。1月1日が決まった経緯を調べてみると、面白いことがわかりました。これも国立天文台のサイトから引用させてもらいます。
暦Wiki/要素/1年とは?/1年の始まり - 国立天文台暦計算室
要すれば、1月1日に天文学的な意味は全くなく、長い歴史において、過去の暦の決め方で重要な意味を持っていたのが春分の日であり、春分の日が決まることで1月1日が決まったということのようです。これは想像に過ぎませんが、やはり昼と夜の長さが同じ日というのは、昔の人たちにとっても起点として考えるべき特別な日に思えたのでしょう。この日がなぜ1月1日ではなく、3月25日もしくは21日に決められたのは、ローマの暦に成立に関係するややこしい事情があるようです。
ところで、前述の日の出、日の入、昼の長さの表で、南中時刻に言及しませんでしたが、実はこの時期11月初旬は、南中時刻が最も12時から離れている季節でもあります。太陽が空にある時間が全体的に前がかりになっていて、ここから1月にかけてゆっくりと修正されていき、来年の1月15日の時点では南中時刻の正午からのずれは10分にまで縮まります。今は午前12時に太陽はすでに真南を通り過ぎ、西へ傾いているということです。