お電話でのお問合せはこちら
TEL:03-3443-4011

かんとこうブログ

2025.02.16

梅の開花の遅れとその理由

今年は梅の開花が遅れていると言われています。事実先日訪れた熱海梅園では、例年なら満開となっている時期にも拘わらず、咲いているのは早咲きの梅だけで、枝垂れ梅などはまだつぼみでした。気象庁には全国の梅の開花実積が一覧表になっているサイト(下記URL)があり、そのデータを利用して、2月15日時点でどの程度遅れているのかを調べてみました。(梅の種類はわかりませんが、毎年同じ標本木で測定しているのは間違いありません)

https://www.data.jma.go.jp/sakura/data/phn_000.html

   

※気象庁サイトでは、遅れた場合を+、早い場合を-で表記していますが、上表では遅れた場合を-で書いています。

2月15日までで開花したのはまだ一部に過ぎませんが、それでも大半は昨年および平年の開花日からは遅れているのがわかります。すでに今年開花した中では、昨年の開花日からの遅れでは奈良と松山の31日遅れが最大でした。平年との比較では大分の18日遅れが最大となっています。ただし、まだ未開花の都市も多く、すでに昨年または平年の開花日を過ぎた都市については2月15日現在の昨年または平年からの遅れを青字で示しています。未開花の都市では昨年比では佐賀の34日遅れ、熊本の28日遅れ、平年比では松江の28日遅れなどがあり、遅れの度合いはさらに大きくなる可能性もあります。

すでに開花した都市の昨年および平年からの遅れをグラフ化してみました。

すでに開花した19都市では、昨年比平均で17.9日、平年比平均では6.8日遅れていることが解りました。しかしどうして今年の開花は遅れたのでしょうか?ネットで調べてみましたが、あまり明確な理由はわかりませんでした。ただわかったこともありますので、そこから今年の遅れの原因を推定してみたいと思います。

まず、梅の開花ですが、これは桜の開花と同じプロセスであるということがわかりました。すなわち前年の夏に花芽が形成され、長い期間をかけて準備が行われ開花を迎えるそうです。そして桜同様寒い期間は冬眠状態にあり、気温の上昇ともに休眠打破し、開花に向かうという過程をとります。そして前年秋から冬にかけての気温が高い場合、あるいは開花前の1月2月の気温が低い場合には,開花が遅れる場合があるとの記述も見つかりました。

昨年から今年にかけて、全国の平均気温がどのような状態であったかを下図で確認したいと思います。下図は毎月ご紹介している全国都市の日毎平均の月平均値と平年値の差のグラフです。この図の示すところは明瞭であり、昨年は夏以降ずっと11月まで気温が著しく高かったこと、そして12月は平年値を下回ったことがわかります。

つまり開花の準備期間である夏から秋にかけて高温であったということがわかります。さらに12月、1月についても実際の平均気温の推移から見ると平年よりも寒い冬であったことがわかります。

上図は西日本5都市の12月1月の日毎平均気温の推移を示しています。これを見ると12月から1月前半までは平年値を下回る日が多かったことがわかります。1月後半には平年値を上回る日が増えますが、2月前半には最長最強の寒波が居座ったことは記憶に新しいところです。つまり休眠打破から開花にむけての大切な時期に寒い日が多かったといえると思います。要約すると昨年夏以降の高温と今年1月から2月にかけての低温が梅の開花を遅らせた原因であると言えるのではないでしょうか?

さてここまで長々と書いてきましたが、本来の趣旨は熱海梅園の梅の写真をご紹介することでした。あまり良い写真は撮れませんでしたが、春の雰囲気を感じていただければ幸いです。

コメント

コメントフォーム

To top