かんとこうブログ
2025.03.05
2024年の自動車生産レビュー
2024年の自動車生産については、その概要をすでにご紹介していますが、もう少し詳しいデータをご紹介したいと思います。2024年1月~12月の概略は下図下表の通りです。
2024年1月~12月で前年値を超えたのはスズキの国内生産、世界(国内+海外)生産だけでした。コロナ禍で落ち込んだ生産は世界的な半導体不足などもあり、その後も遅々として回復が進んでません。ダイハツについては不正認証問題による生産停止期間の影響が大きく、前年を大幅に下回る結果となりました。
全8社の2019年から2024年に関して自動車メーカー8社合計の月平均台数の推移を示します。
国内生産と世界生産では若干の差異はあっても、コロナ禍1年目の2020年の落ち込みから、なかなか回復できない状況は同じです。そしてようやく2023年にコロナ禍前の水準が見えてきましたが、2024年には再び台数が減少してしまいました。需要が減退しているとは思えませんので、専ら供給能力の問題かと思われます。
さらに各社毎の推移を見てみたいと思います。最初は国内生産です。ここでグラフの縦軸が目盛り幅が揃えてありますので、見た目が実際の生産規模と一致します。
国内生産においては、まずトヨタの規模が突出して大きいことに気づきます。また、スズキとダイハツを除き、おおよそグラフは相似形になっています。冒頭で説明したように2020年~2020年のコロナ禍に端を発する低迷期、2023年の回復、2024年の再下降という形です。スズキは2023年にコロナ禍前のレベルに回復しその後も増産しています。ダイハツは2024年の大きな落ち込みが特徴的となっています。続いて世界生産です。
世界生産では国内生産と異なる点があります。まず、コロナ禍前の水準を超えているのがスズキだけでなくトヨタも2023年以降超えています。またホンダ、日産は国内生産の台数減少よりも大きな減少となっており、コロナ前とくらべて非常に大きな減少となっています。マツダ、ダイハツ、三菱、スバルは世界生産における国内生産比率が高いため、国内生産と同じような推移となっています。
コロナ禍が始まった2020年当初はコロナ禍があければ、猛烈な勢いで回復すると考えられていた自動車生産ですが、コロナ禍以前に復帰するにはまだ時間がかかりそうです。