かんとこうブログ
2025.05.19
日本ペイントホールディングスの第1四半期決算について
5月14日に日本ペイントホールディングスの2025年第1四半期決算が発表になりました。これまでのように詳しくご紹介したいと思います。資料はすべて同社の説明資料から引用または引用した数値をもとに作表・作図したものです。
決算概要を下図に示します。
短信ベースでは売上前年比が+5.6%、営業利益前年比が+24.7%、営業利益率12.7%で増収大幅増益でした。売上寄与要素としては、買収等による寄与が+7%と大きかったようです。実質ベースでは、売上前年比が-0.3%、営業利益前年比が+7.0%と微減収増益となりました。営業利益率も0.8ポイントアップしています。
地域別の売上、営業利益、営業利益率の一覧表を下に示します。
各地域の売上と営業利益を図示します。
営業利益をその大きさ順に並べると、NIPSEA中国、Dulux Group,NIPSEA(インドネシア)、日本、NIPSEA(中国以外)、Betek Boya、アメリカ、Dulux Group(欧州)となります。次に各地域の売上、営業利益の前年比を下図に示します。
売上が前年比でマイナスとなったのは、NIPSEA中国、Betek Boya(トルコ)、Dulux Group(欧州)の3地域、営業利益では前年比マイナスとなったのはNIPSEA(中国以外:インドネシア、トルコ除く)とDulux Group(欧州)、アメリカの3地域でした。ここではDulux Group(欧州)の不振が目立ちます。
各地域の売上と営業利益についての説明をさらに短縮して下表にまとめました。
次に需要分野別の状況をご紹介します。ここでは営業利益までは書かれていませんので、売上だけのまとめとなります。
需要分野別に眺めると、汎用(主に建築)は欧州以外は前年比増、自動車は日本、中国が回復基調、工業用は日本のみ増収、その他(塗料周辺事業)は日本以外低迷ということになります。2025年第1四半期の市況については、発表されて資料に図がありましたので、転載させてもらいます。おおよそ上の表と一致しているように思います。
最後に、先行して第1四半期の決算が発表されている世界のTOP3の決算と日本ペイントホールディングスの決算(短信ベース)を比較してみたいと思います。
比較のため、2025年3月31日現在の為替レートを用いてUS$に換算し図示してあります。売上順位は昨年までと変わりませんが、EBITDAでは、日本ペイントホールディングスがAkzoNobelを上回っており、対売上EBITDA比率でも同様に日本ペイントホールディングスがAkzoNobelを上回りました。
それぞれについての前年比でみると日本ペイントホールディングスの好調ぶりが際立ちます。
日本ペイントホールディングスは2025年12月期の売上予想を1兆8000億円としています。第1四半期の決算をもとに予想すれば、2025年12月期中に日本ペイントホールディングスがAkzoNobelに追いつくことは為替次第では十分ありうるものと思われます。