かんとこうブログ
2025.05.20
4月は前年比100超えならず・・業況観測アンケート調査結果
先週金曜日に日塗工から業況観測アンケート2025年4月度の調査結果を受領しました。組合員の皆様にはすでにお知らせしておりますが、若干のプラスアルファのデータをご紹介します。
直近13カ月の出荷金額と出荷数量の一覧表です。
4月の全体の出荷金額は99.2、出荷数量は96.5といずれも前年を下回りました。1月以降3カ月続いた出荷金額と出荷数量両方の前年越えは3カ月で止まりました。需要分野別では、前年超えが自動車と木工のみとなりました。
経産省確報の数値を比較して下に図示します。(確報は業況観測アンケートより約1カ月遅れて発表されています)
この両方の統計数値はおおむね一致していますが、経産省確報の方がやや低い数値になっています。
需要分野別の現在の状況を知るため、2018年の各月を100として、以降年々の前年同月比を累積し続けています。需要分野別の数値が金額の前年同月比しかありませんので、この方法しか需要分野別の業況をコロナ禍前と比較する方法が思いつきません。月ごとに傾向が異なりますので当該月とその前3か月分を示します。
これまでのデータ解析から、ほぼ2022年には、出荷金額の水準がコロナ禍前に戻ったことがわかっていますが、その後は必ずしも捗々しい増加になっていません。この中でも3月などは昨年3月の大きな落ち込み(稼働日が例年から2日少ないためと言われている)から戻せていません。そうした中では船舶・構造物が順調であるように見えます。
しかしながら、一方で数量の方は大変心配な状況が続いています。下図は2018年以降の純出荷量(経産省確報に基づき日塗工が算出)の数値を折れ線グラフで表したものです。4月~6月にかけてコロナの第1次感染拡大期における落ち込みが顕著にみてとれますが、いずれもその後も右下がり傾向が続いています。つまり、金額はコロナ禍前に戻っていますが数量は戻りません。コロナ以降も数量減少が続くことに大きな危機感を持っています。
下図は、左が過去7年間の月別純出荷数量、右が純出荷数量の年平均指数です。2025年の純出荷数量は過去7年の最低レベルであり、右の年平均でも2018年の83%程度に過ぎません。少なくとも純出荷については、どうグラフを描いてもコロナ禍前の2018年に比べて8割強程度まで量が減少していることは明らかであり、単なる景気の循環では説明できない理由があるのではないかと気にしています。